NO.94 言葉にできるは武器になる 梅田 悟司 | マルティン・ルターのぶろぐ

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はじめまして、マルティン・ルターです。今年の目標として読了30冊を掲げました。
今まで読んだ本も備忘録として残していきます。
主にビジネス書、リベラルアーツ、などです。+で中日ドラゴンズとごはん屋さんも発信していきます。

言葉にできるは武器になる

 

梅田 悟司

日経BPM




 

ちょうど、外山滋比古先生の思考の整理学を読んだ後だったため、よく理解できた。

 

コピーライターである著者が、「言葉」を考え抜いて表現した作品。単なるテクニックではなく、思考を深化させることでたどり着いた事柄をまとめたもの

 

チャットGTPが話題になっているが、以前は書かせることで、その人の思考の程度を測ることができたが、インターネットの発達によって、書かせることから、思考の程度を測ることはできなくなっている。転用、コピーが横行している。となると、一番評価できるのは対話ということになる。

 

 

 

1 「内なる言葉」と向き合う

 

 

つまり人間は、相手の言葉に宿る重さや軽さ、深さや浅さを通じて、その人の人間性そのものを無意識のうちに評価しているのである。

 

多くの人が言葉に対して抱えている課題は、「どんなに言葉を尽くしても、相手の心に 響いている気がしない」「周囲を巻き込もうと声を出しても、空回りして、誰も動いてくれない」といった、理解はされるものの、納得や共感・共鳴にまで達しないといったもの であろう。そのため、言葉そのものに致命的な問題があるわけではなく、むしろ、言葉の 軽さや浅さにこそ、問題があるように思えてならない。

 

そこで思っていることを自在に話す術を得たとしても、話したり書いたりする中身が変わるわけではないため、逆に「何だか嘘っぽい」「口先だけな気がする」という印象を持 たれる可能性すらある。

 

その一方で、言葉少なであったり、決して流暢でなくとも、「この人の話していること は信用できる」「妙に惹かれる」と思われることもある。そのため、言葉の技術だけが伝わり方や心への響き方に影響を与えているわけではないと言えよう。

 

「内なる言葉」と向き合う

 

では、言葉の理解度の差を生んでいる壁とは何なのだろうか。

 

 

言葉にできないということは「言葉にできるほどには、考えられていない」ということと同じである。

 

 

言葉に重みが生まれる、最大の理由。 それは、言葉を発信する側の人間が、自身の体験から本心で語っていたり、心から伝え たいと思うことによる「必死さ」「切実さ」に因るところが大きい。その結果、どんなに 平易な言葉であっても、意図が十分に伝わることで、人の心を惹きつけて離さなくなる。 つまり、思いが言葉の重みを生むのである。

 

その人自身の経験や体験、それによって培われた思考といった人間の源泉から湧き出る 言葉にのみ込められる真実味や確からしさこそが、人の心に響くかどうかを決しているのだ。

 

 

 

2 正しく考えを深める「思考サイクル」

 

・人間は、その人の思考の産物にすぎない。 人は思っている通りになる。

 

マハトマ・ガンディー

 

1869-1948

 

弁護士、宗教家、 政治指導者

 

 

自分の中に「思考サイクル」をインストールする。

 

①思考を漠然としたものでなく、内なる言葉と捉える。

 

②内なる言葉を、俯瞰した目線で観察する。

 

③そして、考えを進めることに集中し、内なる言葉の解像度を上げる。

 

これが、私が思考を深めるために行っている方法である。 この方法は、今自分が抱えている具体的な問題や不安を想定しながら読み進めていくと、分かりやすい。

 

 

①頭にあることを書き出す 〈アウトプット〉

 

全ては書き出すことから始まる。

 

 

② 「T字型思考法」で考えを進める

 

〈連想と深化〉

 

「なぜ?」「それで?」「本当に?」を繰り返す

 

 

③同じ仲間を分類する

 

〈グルーピング〉

 

内なる言葉を俯瞰して観察する。

 

次のステップは、①で書き出し、②で広げた考えを整理していく段階である

 

④足りない箇所に気付き、埋める

 

〈視点の拡張〉

 

横のラインを意識し、考えを広げていく。

 

広く考えているつもりでも、同じことばかりを考えていた。 あんなに時間をかけたのに、こんな狭い幅しかなかった。頭の中にあった内なる言葉を俯瞰してみると、このように愕然とする人が多いと思 だからと言って、落ち込む必要はない。

 

⑤時間を置いて、きちんと寝かせる

 

〈客観性の確保〉

 

その場から離れることの効力。

 

 

⑥真逆を考える

 

〈逆転の発想〉

 

自分の常識は、先入観であると心得る。

 

 

 

⑦違う人の視点から考える

 

〈複眼思考〉

 

あの人だったら、どう考えるだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

3 プロが行う「言葉にするプロセス」

 

 戦略1 日本語の「型」を知る

①たとえる

〈比喩・擬人〉

わかりやすい言葉で、イメージを共有する

 

②繰り返す

〈反復〉

大事なことだから、繰り返す

 

③ギャップをつくる

〈対句〉

強い言葉はギャップから生まれる

 

④言いきる

〈断定〉

曇りのない言葉で、明確な未来を打ち出す

 

⑤感じる言葉を使う

〈呼びかけ〉〈誇張・擬態〉

 

 

 

 戦略2 言葉を生み出す「心構え」を持つ

 

①たった1人に伝わればいい

〈ターゲッティング〉

みんみに伝えようとすると、誰にも伝わらない

 

②常套句を排除する

〈自分の言葉を豊かにする〉

常套句が「あなたらしさ」を奪っている

 

③一文字でも減らす

〈先鋭化〉

書き切る。そして、修正を加える

 

④きちんと書いて口にする

〈リズムの重要性〉

誰もが文章を「内なる言葉」で読んでいる

 

⑤動詞にこだわる

〈文章に躍動感を持たせる〉

動詞には意思が宿る

 

⑥新しい文脈をつくる

〈意味の発明〉

言葉の意味は時代によって変わる

 

⑦似て非なる言葉を区別する

〈意味の解析度をあげる〉