最近、「うっせぇわ」という曲が流行っている。自分に降りかかってくる世の中の矛盾に対して、『うっせぇわ~』と叫んでいるのが人々の共感を呼んでいる。 


 日々小間使いとしてせっせこと働いている私も、この曲を聴いたとき、“うぉおお~”と何だか分からないたぎるモノを感じた。何かに押さえつけられて、自由にできないもどかしさが重なったのかもしれない。歌詞には、 

 酒が空いたグラスあれば直ぐに注ぎなさい

 皆がつまみ易いように串外しなさい(中略)

 はぁ?うっせぇうっせぇうっせぇわ

と、もはや世の新入社員や女性の不満をぶちまけているかのような言葉が並んでいる。いざ現実では言えないことも、歌に投影されることで共感を呼び、ちょっとストレス発散になるといった感じだろうか。





 ただ、不安な現象も起こっている。Youtubeで話題になったこの歌。世の小学生にも広まっている。もちろん小学生は、嫌味な上司やお局様の存在、社会の矛盾なども分からないのであるが、どうやら親の「宿題しなさい!」に対して「うっせぇわ~」と連呼する子どもが増えているらしい。「うっせぇわ」が、小学生にその深層にある意味も理解されないまま、手軽に使われているのだ。


 何かちょっとでもムカつくことを言われたら、「うっせぇわ~」連呼でシャットアウト…。世の子ども達がこうなればもう、日本の未来はお先真っ暗状態である。今後、これに代わって「ありがとう大好き」や「夢に向かって頑張る」的なテーマの歌がいち早く流行るのを心待ちにするしかないのかもしれない。 



     (宇津古  舞)