海南市の地域おこし協力隊員に

     瀬戸山 江理さん

 


  体験イベント開催も


   各自治体が都市地域からの移住者を『地域おこし協力隊員』として任命。隊員はその地域の漁業・農業・林業などに従事したり、地域の魅力のPRやお祭り・イベントの運営に関わるなど地域協力活動を行う。そうしたことで地域への定着・定住を図る取組みが総務省から平成21年に始まり全国に拡がっている。今回登場いただく瀬戸山江理さんも和歌山市内から  海南市黒江地区に移住した「地域おこし協力隊」の一人である。彼女に話を聞いた。

  (中村 聖代)


【笑うことができない】


 江理さんは幼小の頃から自己主張するより、自分を後回しにするような性格だった。母親が父親に従うのが当たり前の日常で育った。






 彼女はそれを重苦しく感じ取り、早く家を出たくて20歳で結婚、3人の子どもをもうけた。


   夫の素行だけが原因ではなかったろう。しかし笑うことはおろか作り笑いすらできない自分がいた。



 「(自分の)母親より忍耐力がないなあ」と思いつつ、子どもたちに本音をうち明けた。すると3人はすぐさま「苦しくても母についていく、父とはお別れを言う」と、背中を押してくれた。29歳の時に離婚した。




【りら創造芸術】


 海草郡紀美野町真国宮にある「りら創造芸術高等学校」(前専修学校)の職員として勤務したことがある。「りら」は、生徒たちがとことん話し合って様々なことを決める。また、体験から学ぶことを重視したユニークな学校だ。多分野で優秀な人材を輩出している。2人の子どももそこに学んだ。


        自分の殻を割って成長していく生徒たちの姿に動かされ、江理さんは「このままではいけない」と、思い切って辞めた。


【黒江に移り住み】


 「りら」での経験は瀬戸山さんたち親子にはかけがえのない基となった。



   彼女にとってその時々の選択は、何かしらの直感―わくわくする・幸福へと導く―といったキーワードで進んできた。


   その直感や流れのまま1年半前、両親・家族ともども市内から黒江に移り住んだ。


【古民家との出会い】


 黒江地区で、築160年の古民家に出会った。自分の年齢よりも長くそこに在り続けている家、その存在感に引き寄せられた。今いる私たちがバトンを受け取り未来につなげていく―使命を感じた。


  隊員として何ができる?町のファンを増やしたいと考えた。町に在るものを伝える。町を訪れた人の満足度を高めることを考えた。おしゃれな「黒江町あるき」マップ作りに携わった。



旧岩崎邸。築100年は超えている商店兼住居だった建物です。断定はできませんが建物 は構造的に築200年近くともいわれています。木造2階建て、土壁瓦葺。なかなか味わいのある外観の物件。ここを再生しました。



  紀州漆器まつり


 11月8日、例年では紀州漆器まつりが賑やかに開催される日。不特定多数の人を集めることができない。江理さんたちは知恵を絞った。そしてコロナ対策を行いながらクラウドファンディングを利用した事前予約性の体験イベントを開催したのだった。


  古民家再生の外と内部




【これからのこと】


 江理さんの隊員としての活動は3年間であと残り1年である。


 「まだまだ自分の役割を果たしきれていないような気がします」。と厳しい評価をくだしている。

  

 絵本も7冊出版

    困難乗り越えて




      今回は和歌山市内で活躍するイラスト作家Rui(ルイ)さんを紹介しよう。病気・介護・いじめ・不登校・ひきこもり・・いろんなことが原因で生きづらい日々を過ごしている若者が大勢いる。ルイさんは自身の苦しい体験を経て、今は作家として、また講演者としても活動をしている。最近開かれた個展の様子などもお伝えしよう。

   (中村 聖代)






【祖母の愛】


 ルイさんの母親が体調を崩したときがあり、母方の祖母が幼い頃のルイさんに接する時間が多かった。祖母は笑顔の素敵な人でルイさんをとてもいつくしんだ。


   「ケ・セラ・セラ」(何とかなる)と口ずさみ、周りへの感謝と思いやりの気持ち「困っている人がいれば助けなよ」と常に言っていた人だったようだ。


【高校時代】


 ルイさんは高校時代ひどいいじめにあった。それが原因で不登校、ひきこもりの日々が続く。本人が一番辛いが、そばにいる家族の辛さもひとしおであっただろう。


【それから】


 何とか高校を卒業し、その後大学や専門学校に進んだ。順風満帆な生活だったとはいえないが、祖母の笑顔に見守られて過ごした。




   その祖母も亡くなってしまい、あまりに辛い思いをしたある時、苦しみを見かねた天国の祖母が『もう、こっちに来る?』と夢の中に現れた。ルイさんは、その優しさに触れ、感謝しながらも、今行くべきではないと思った。



    英語版の表紙



【作家活動】


 小学校の時から日本画を習い、デッサンも勉強したルイさんだが、作品は鉛筆と色鉛筆で描く。絵本は4冊を出版した。いずれも自身の体験に基づいて作られている。祖母への思い、祖母の教えがたくさん詰まっている。


   今年初めて個展を開いた。5作品目になる画集の原画を中心に展示された。毛の一本一本写実的に表現する。「手で触り、心で見る」うさぎへの愛情が伝わってくるようだ。モデルは今まで家族として一緒に暮らしてきたうさぎである。


【これからのこと】


 多くの人に支えられ、ルイさん自身も何かの役に立てば、と経験を話す。その姿勢がまた皆に勇気と自信や希望を与えているのだろう。


   昨今、中高年のひきこもりや自殺が社会問題にもなっている。本人だけの問題で片付けられない課題は山積している。



 そういった人たちを先ず理解することが大切だと考える。彼らが自立していく道、お互いに支えあえる道を探すことが求められている。




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  わかやま新報から引用いたしました

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「あなたは変われるよ。」 Ruiさん7作目絵本

     イラスト作家として活動する和歌山市のRuiさんが、   7作目の絵本『あなたは変われるよ。』を出版。目標を失い生きるのがつらかった、かつての自分と同じ境遇の人に届けたいと願う今作には、Ruiさんが自らの経験を通して気付いた「今までの出会いじゃなく、これからの出会いで変われるんだよ」とのメッセージが込められている。

    山の中のよもぎもち屋で働くウサギの「こたろう」は、過去に受けたいじめの経験から心を閉ざしたまま。自らも過去につらい経験をしてきた主人公ウサギの「りょうま」や仲間たちとの出会いによって、葛藤しながらも少しずつ心を開き、変わっていくこたろうの姿が描かれた心温まるストーリー。

    7作目にして初登場の「こたろう」は現在、Ruiさんと共に暮らす5代目のウサギ。主人公のモデルになった4代目の「りょうま」が亡くなった後、2020年秋にペットショップから迎えた。

     生まれてから9カ月の間、狭いケージの中で過ごしていたこたろうは当初、攻撃的でかむこともあったが、今ではすっかり自由奔放な姿を見せるようになった。「最近ではうれしいときに高くジャンプするなど、喜びを体で表現できるようにまで変わりました」とRuiさんもうれしそうにほほ笑む。

      作中のこたろうには、高校生の時に受けたいじめが原因で不登校になり、傷つかないように自分の考えや気持ちは置き去りにして相手の顔色をうかがっていた自らの経験も投影。

     ひきこもっていた時には目標を失い、生きるのがつらく、一度は生きるのも諦めたというRuiさんだが、今では人との出会いや会話を自ら進んで探したり楽しんだりできるように。「振り返れば変わっていた」と話す。

   「つらいことがあっても人生は終わりじゃない。変われるんだ」との実体験をもとに、Ruiさんが長年描きたかったという「変われる」をテーマにした本作は、心の移り変わりを表現できるような絵にもこだわり、約1年かけて制作。

    さまざまな境遇の人に向け、「これからの出会いに変われるきっかけはあるので、なりたい自分に向かって諦めないで」とエールを送っている。

    B5判52㌻。1650円。宮脇書店和歌山店などで



  


 

   

「ナチュべジ ライフ」って聞いたことある?  その語感から(ナチュラル+ベジタブル+ライフ)自然な野菜生活を表している造語だろうと想像される。和歌山市内のキッチンサロン「ナチュべジ ライフ」代表阪口理紗さんから話を伺った。

   (中村 聖代)


(食でサポート)

   

 理紗さんのキャッチコピーは「大切な人の健康・笑顔・未来を(食)でサポート」だ。野菜ソムリエ協会認定料理教室(キッチンサロンナチュべジライフ)主宰に始まり、資格欄を見ると、食生活アドバイザー・食育インストラクター。健康管理士一般指導員・健康管理能力スペシャリスト・発酵文化人・AGEフードコーディネーター・美腸マイスター3級・食品衛生管理者等々が並ぶ。


   料理教室にとどまらず、レシピ開発、食育講座の講師、講師養成、執筆活動なども行う。





【免疫力を高める】


 新型コロナウイルス感染拡大で、日々の生活が一変した。自粛生活・在宅ワークなど。そして3密を避け、マスクを外せない場所が増加した。


   規則正しい生活・旬を取り入れた健康的な食事・身体を温めること・太陽を浴び大いに歩くことなど「言うは易しく行うは難し」的な生活が免疫力を高め、降りかかる病から自分や家族を守ることができうるだろう。そんななか今注目を浴びているのが発酵食品だ。


 理紗さんは発酵食スペシャリストとして、以前から発酵調味料の開発を手掛けている。日本の国菌である麹菌を使って古式製法で長期間発酵・醸造された本物の発酵調味料を使用した料理を是非取り入れたい。


【自身の経験から】


 理紗さんは大学を卒業後仕事に就き寝食を忘れるほど熱中した。そのせいもあって24歳の時病気になった。そして「自分が食べたものが自分の身体を作る」という当たり前のことー食の大切さや食べる事の大切さを改め認識したのだった。







 その時出会ったのが「野菜ソムリエ」の資格だった。2006年3月には「野菜ソムリエプロ」を取得。その後結婚、出産。愛する家族のために身体に優しい食事を心がけながら病を克服したのだった。自分がつらい経験をしたからこそ、伝えたいことがたくさんある。





  「私の発信が一人でも多くの皆さんの食生活の新たな気付きになり、一歩踏み出すきっかけになれば嬉しい」と、理紗さんは語った。


   【麹菌が日本の食支える】


     私たちが普段食べ、どのお宅にもきっとあるはずの醤油、味噌。そして味醂、酢、日本酒・・・甘酒や塩麴。


      これらは日本で古くから使われてきた日本の伝統発酵調味料で千年以上前から日本に受け継がれているものもあります。


     そしてこの発酵調味料を造るうえで欠かすことが出来ないのが日本の国菌に認定されている「麹菌」になります。










      海に囲まれ高温多湿な気候風土から生息し続けたこの「麹菌」がなければ日本の食文化は   ここまで発展しなかった・・・と言われ、  日本の食を支える「縁の下の力持ち」なのです。

 わかやま新報女性面掲載

  【2020.8月

   「人のことどうでもいいじゃないの」が北国風とすれば、「人のことどうも気にかかる」が南国風。





   和歌山人の気質分析 ⬇️  メチャ面白い  推し



     どちらにしても狭い日本、守る物は、やはりいい人間関係だと思う。


 


北海道出身女性の性格 

明るくて勝気

    北海道出身の女性は勝気で物怖じしない人が多く、喋り口調もハキハキとした人が多いのが特徴。これも北海道の開拓時代のなごりかもしれません。女性も一緒になって開発や町の発展に貢献してきたため、女性的な人より男勝りなタイプの人が多いようです。



    ささいなことは気にせず、悲観的になるより明るくふるまう方が良いことを遺伝的に知っているようです。北海道の女性は働き者な人が多く、仕事をバリバリしたいと考えている傾向が高いようです。

我慢強い

     厳しい寒さの中で暮らしてきた北海道の女性は、辛抱強い性質を持っているようです。普通くじけてしまいそうな場面でも持ち前の明るさと我慢強さで乗り越えることができます。


   なかなか頑固な一面もあるので、一度決めたことはやり通そうとします。その頑固な部分が、多少のことではくじけない強さに繋がっている面も。時に大胆に進むことができるので皆が怖気づいてしまう時でも先陣を切って歩めるでしょう。



  



 


   和歌山県の県民性は、基本はのんびりした性格と言えるでしょう。 和歌山県の中でも、北部に住んでいらっしゃる方々は大阪に近い関係から、金銭感覚に鋭い方々が多くいらっしゃって、商売が上手な方々がいるようです。 


  南部の方々は、独立意識を強くお持ちで、時々、人たちを驚かすような大胆な行動にでることもあるようです。



  和歌山美人







  



     海に囲まれているので、水産業が盛ん。広い土地を利用して農業が発達している北。和歌山は稲作、果物、蔬菜などの作物つくり、そのどれもが日本の食糧を支えている。


   北の住民の歴史は過酷な土地と知りつつ、北に新天地を求めた開拓の歴史でも有る。助け合わなければ生きていけなかった厳しい歴史がある。



   これって ホンマ!?


   和歌山と言えば信仰、紀州藩をよりどころとして温暖な気候にめぐまれ、一人一人が真面目にさえしていれば生きていけるという幸せな図式ができている。





  ⬆️

  美瑛の麦畑のポプラ



 みんなと協調し協力し助け合うという最も初歩の考え方が、しっかり根ついているのが北国の特質であるから非常に、住みやすい。



   豊かな地域に住むという共通の事柄をもっと意識して共有しあい交流しあって、これからの新しい文化と文明をつくりあげる事ができたらどんなにいいだろう。人材はどこにでもいる。


   「先ず、隗よりはじめよ」と。


                                         (岡本 炎弥子)



                わかやま新報女性面



    読み聞かせです  ⬆️








おほしさまのちいさなおうち

渡辺鉄太文 加藤チャコ絵 



2018年 瑞雲舎



 対象年齢:年齢に応じて読むことができます。

(読んでもらうには)3歳から 


自分で読むには)5歳から大人まで  



桜の開花と新学期を迎え、毎日過ごしやすくなってきましたね。同時に外出も増えたかもしれません。お出かけのついでに探検や冒険遊びをしてみませんか?  


あらすじ● 



 あるところにおもちゃで遊ぶのも、本を読むのも飽きてしまった男の子がいました。 




 男の子は母親に尋ねます。「お母さん、楽しい遊びを教えて」



 母親はしばらく考えてから言いました。「それなら探検に行くのはどう?お星さまのおうちを探してみるのよ。お星さまは夜空にいるだけじゃないのよ。」 




 男の子は母親にヒントをもらい、探しに行くことにしました。家の前の道をずっと歩いていくといいみたいです。 


       男の子が歩いていくと、小さな女の子に出会いました。男の子はお星さまについて尋ねます。


「農場のお父さんなら何でも知っているわ」緑の牧場と黄金色の小麦畑を眺めていた彼は「丘のふもとのおばあさんに聞いてみることだ」と、ポップコーンや編み物の上手なおばあさんを紹介してくれました。 



 男の子は丘のふもとの家の前で編み物をしているおばあさんに尋ねました。おばあさんはおひさまのようににこにこして言いました。「あちらこちらを旅している風さんに聞いてごらん」



 男の子は仕方がなく、丘を登り始めました。すると、風が吹き抜けました。男の子は風においていかれないように走ってついていきます。風は果物が生い茂っている木の枝を吹き抜けていきました。 



 ついに男の子はお星さまのおうちを見つけます。茶色い煙突のある赤いおうち。さて、何でしょう。大人もこのような探検遊びは楽しそうですね♪                      (浦田ひろみ) 





Bach(バッハ)は 誰も言葉にしてはならない



        朝の光がそっと射し、小鳥や人々に一日が始まろうとしている時にバッハを聞きたい。遠くから微かでもいい、現実にそうは行かないけど。


     私は命が輝く日は、また死への誘いを遠くに感じる時にバッハを聞く。


             最もポピュラーなメロデイーには『G線上のアリア』があり、ピアノ練習曲の初期に『インベンション』がある。その第1曲目は間単な少しの音だけでできている。しかし誰もこれを超える曲は作れない。






    音楽は神秘な数でできている。男の子に弾くことを進めたら“すごいっすこの曲”と興奮した。彼は今から始まる人生を予感したのだろうか。クラシック世界最高峰の一曲だよと、私は心の中で語りかけ『マタイ受難曲』のCDをかけた。


       いま、『無伴奏チェロ組曲』を聴いている。ピアノ伴奏もオーケストラの演奏も、和音というものもない。バッハは旋律だけが2曲、3曲と同時進行していく(対位法といいます)。『ロ短調ミサ曲』、『イギリス組曲』、『ゴールドベルグ変奏曲』、『無伴奏バイオリン組曲』その他数え切れない。


     バッハは約326年前、ドイツで生まれている。モーツアルト、ベートーベン、ショパンなど多くの音楽家が彼に学んだ。



       曲は神秘な響きで、飾らない清冽さで、魂の静謐(せいひつ)さへといざなっていく。



    音は少ないけど宇宙の深遠な宴のようである。修飾で語れば何かを失い、言葉はむなしく聴こえる、こころが沈んだ日に聞けば尊い音に凛とさせられる。





       「バッハが好きよ」という人がいれば「私も」と言って恋がはじまる。不思議なBach!



教会のオルガニストだった彼が、赤あかと灯る夕べのひと時、チェンバロを弾き、家族が囲み慈しみあう姿は、人々の原点ではないだろうか。



 (山下はるみ)


  わかやま新報女性面












 岡山から赤穂線に乗つて約50分、 岡山県備前市日生(ひなせ)に着く。 大小14の日生諸島を抱く港町。 魚市場で毎日昼から開かれる漁師のおかみさんたちによる「五味の市」は京阪神からも客がやってくる。 





 




     昼網でかかったタコ、イカ、シャコ、磯(いそ)魚がとびきりの安さ。「あんさん、写真ばかりとってないで、ゲタこうて行きャエエヨ」   「えっゲタ❕」     「ゲタは舌ビラメのこと。ほてきりうまいわの」(本当においしいよ)。



        遠来のマイカー客用に氷の自動販売機も備え付けてある。「刺し身にするには、しめてから3時間ぐらいがうまい。こうてみてつかアさい」。





     

     日生町の歴史は大阪石山本願寺の門徒衆が信長に敗れ、移り住んだとも伝えられる。市場には自由な雰囲気と活気がみなぎる。






こんな小さな町に中南米の美術など文化遺産を展示する


BIZEN中南米美術館がある。

【旧森下美術館】で、魚網の製造・販売で財を成した人が設立した。日本の中南米文化のメッカが魚のにおいのしみ込んだ港町にあるのが面白い。




BIZEN中南米美術館について

多彩な古代アメリカ諸文化のほとんどすべてに亘る遺物が網羅されている。中南米11カ国の諸文化を各時代ごとに比較しながら見ることが出来ることや、建物の外壁が故藤原建氏の製作による16,000枚余りの陶板でおおわれていることが特徴。収蔵品は、古代アメリカ大陸で作られた土器・土偶・石彫・織物を中心に約2300点に及ぶ。 





『おだんごダイブ

大塚健太

小池壮太



2023年 白泉社

1300円別)

 

対象年齢:年齢に応じて読むことができます。


(読んでもらうには)歳から

(自分で読むには)歳から大人まで

 


    ようやく涼しくなってきましたが、近年、秋を満喫する期間が短くなっているように感じます。代わりに絵本で秋の風情を感じてみませんか?



●○あらすじ●○


つぶらな瞳のまんまるとした小さなお団子たちが飛び込み台の上に並んでいます。

 

「いちについて おだんご おだんご」「ダーイブ!」お団子たちがお鍋の中に飛び込みます。「ドッボ~ン!」

 

お鍋の中熱々の泡ぶろです。ぶくぶくぶく。ぽこぽこぽこ次第にお団子たちが浮かんできます。表面はほんのり光っています。お団子たちはぷっくらつやつやになりました。

 

その後再び飛び込み台に登ります。「いちについて おだんご おだんご」「ダーイブ!」「タップ~ン!」

 

飛び込んだ先は甘―い匂いのとろとろのお池。お池から出るとお団子たちはみたらし団子になりました。

 

別のお団子たちはパラシュートをもって飛び込み台に並んでいます。今度はどこに飛び込んだのでしょうか。

 

「いちについて おだんご おだんご」「ダーイブ!」パラシュートを使ってゆっくりふわふわ着陸します。「パッフン!」降り立ったのは香ばしい丘の上です。みんなで足元の細かい粉を掛け合います。すると、きなこ団子になりました。

 

まだまだ出番を待っているお団子さんもいます。「おだんご おだんご……ダーイブ!」あれ?地面には何もありません。さてこのお団子さんたちは、何になるのでしょう。

 

秋の風情を感じたい今の時期にピッタリなお団子たちが続々と登場します。十五夜十三夜は終わってしまいましたが、11月10日の十日夜は間に合います。絵本のお月さんと共に秋のお空を見上げてみませんか?



(キャリアコンサルタント 浦田ひろみ)




  秋の豊かな季節感を感じさせてくれる「柿日和」という季語がしっくりくる季節になりました。柿と言えば、和歌山県は全国一位の柿の産地です。



   そのわりには、他府県の方々に和歌山出身だと話すと、みかん」「梅干したまに「パンダ」と、和歌山のシンボルが挙がる中、意外にも「柿」は出てきたことがありません。


   柿は沖縄県を除いて、全国で栽培されており、家の庭先にも柿の木があるなど、日本人の生活に馴染み深い果物なだけに、地域性を感じさせないのかもしれません。 




  日本の国樹は桜ですが、国果は柿だそうです。の起源は古く約170万年以前に形成された岐阜県瑞浪市の第三紀層縄文時代弥生時代の遺跡からも化石発見されています。


平安時代には広く栽培されていた柿は16世紀に世界に広がり、その学名は「Diospyros kaki(ディオスピロス カキ)」と名付けられました「Dios」はギリシャ語で「神」、「pyros」は穀物」で、つまり柿は「神の食べ物」という意味です。



  ありふれた庶民生活の風景を彩る柿が、神様の食べ物というのは、なんだか不思議な気もしますが、考えてみれば、柿の天敵のように嫌われるカラスもまた、世界中の神話や伝承で、神の使者や示唆を与える生き物として描かれています。






古事記や日本書紀に登場する八咫烏ヤタガラス)は、紀伊半島を迂回して、熊野から大和の橿原まで神武天皇を案内したとされ、熊野三山においてカラスはミサキされています。


もしかしたら、八咫烏は柿を食べながら神武天皇を導き、国の成り立ちを支えたのかもしれないと思うと、とても神聖な食べ物のようにも思えてきます。


柿好きで知られる正岡子規の俳句「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺さえ、「柿たまわれば~」と言いたくなりますが、この句が読まれた10月26日は「柿の日」です。


柿とカラスの神秘に思いをはせながら、太古から続く恵みに感謝して、和歌山の柿を味わいたいと思います。



  (石井 敦子)






景観素晴らしい和歌山県美浜町で




自然と人との交流が

素晴らしい【しいざきのおうち】


 

2021年11月にオープンしました古民家カフェしいざきのおうちの山本三紗(やまもとみさ)さんにオープンまでの経緯やこれからのことをお伺いしました。

        (森下 和紀)





 











💖子育ては自然の中で


山本さんは、子育ては自然の中でという思いが強かったと言います。


愛知県出身ですが、ご主人さんのお仕事の関係で中国の広東省広州市で暮らしていましたが、空気汚染がひどく安心して子供を外で遊ばせることができない環境で、子供は自然の中でのびのび育てたいという思いが強くなり、タイミングよく和歌山県美浜町にある義父が所有していた民家を使わないかというお話もあって、移住を決めました。



実際に美浜町に来て、山本さんが思い描いていた子育ての環境にぴったりな地域でしたと言います。豊かな自然と地域の方々との触れ合いがしいざきのおうちのこれからの持続可能な環境です。

 

 

💖古民家のリノベーションへ 



移住後はしばらく海の近くの一軒家で暮らしながら、子育てコミュニティを楽しんだり、大工さん探しをしたりして、美浜町での暮らしを楽しみながら、“しいざきのおうち”のリノベーションが始まりました。


大きな梁、柱は、他ではなかなか見られない大きさで重量感があります。カフェに来られる方はみなさん驚いて眺めてます。





この土地で代々暮らし受け継がれてきた椎崎家の立派な古民家を受け継ぐことになり、ここでカフェを開くことが決まった時、椎崎の名前は残したいと心に決めたと言います。誰もが自分のお家のようにゆっくり過ごしてほしいという思いもあり、カフェの名前は「しいざきのおうち」に決めたんですとにこやかに話します。

 



💖しいざきのおうちでの交流 






日替わりで食事を作りたいという地元の料理好きな女性3名が地元の野菜を使って家庭料理の提供をしてくれています。古民家でゆっくり過ごして欲しいという思いから、ランチの数を限定して営業しております。3名の女性シェフの味の異なるランチは好評で、さらに立派な古民家では、一層美味しくなると人気です。


また、山本さんも子育て中ですので、子育て世代の利用が多く、子育てについての話で盛り上がることもあります。子連れで来られる方も多いです。地域の方々との交流を広げています。地元の方との交流も進んで、しいざきのおうちは出会いの場にもなってきています。

 

💖これからのしいざきのおうちは宿泊業も



現在しいざきのおうちでは、海外や県外の子供たちが地元の家庭に宿泊しながら、その地域の生活や暮らし、文化などを体験する教育旅行の受け入れを行っています。


今後は、宿泊業もスタートし、日本人だけでなく外国人観光客にも泊まってほしいと期待しています。






近くには、【煙樹ヶ浜】という太平洋に臨む4㎞に渡る砂利浜が続いています。防潮のために植林された松原は素晴らしいです。ここを訪れる観光客にも立ち寄ってもらえるカフェであり、泊まれるカフェとして多様な方々との交流を実現していきたいです。旅する人とのつながり、地域の人たちの触れ合いが、これからの活動の幅に繋がって行くと信じていますと力強く語ってくれました。


山本さんの中国から美浜町に移住して、地元の古民家カフェから宿泊もできる宿も併設していく行動力に期待です。