不老不死の三題話


 不老不死にまつわる三題話をしてみよう。

 「徐福」がこのところ人気沸騰という。和歌山にも格好の場所がある。新宮駅近くに、ひと際色鮮やかな楼門が建っている。「徐福公園」の入口である=写真

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 徐福は、中国で初めて全国統一をなしとげた秦の始皇帝の時代、秦に滅ぼされた斉の国の方士、神仙道や医方術の士であったとされている。 

 『史記』の秦始皇本紀に、徐福に関する有名な話が記載されている。

 中国全土を支配した始皇帝が、不老不死の仙薬を求めていると聞いて、徐福は「之を求むることを得ん」と願い出たという。

   そこで、始皇帝は童男童女数千人をつけて海上に送りだし仙薬を求めさせた。 徐福が着いたところがこの新宮付近だったというわけだ。

 その他にも、日本各地に徐福ゆかりの地がある。佐賀市、三重県熊野市波田須町、東京都八丈島、延岡市などに伝承が残されており、人々が集まってくるという。














 2つ目はその名も「黄金崎不老ふ死温泉」に人気が高まっている。 青森県西津軽郡深浦町にあり、海辺の岩場にある露天風呂が有名で、日本海に沈む夕日の写真が雑誌などで紹介されることが多い。           ひょうたん型の混浴浴槽のほかに、女性用の浴槽も近年設けられた。   トヨタの車などCMの撮影に登場することが増えている。                     この湯に浸かって、不老不死を夢見る人が多いというわけだ。                               3つ目の話は、次のような伝説である。 福井県小浜市に八百比丘尼(びくに)入定洞がある。          この伝説の若い娘は、若い時に人形を食べたため、いくつになっても容色が衰えない。                         尼になって不老長生のつぐないをする。とうとうハ百歳になり洞窟に入って命をたつ。                      長生きは幸せなのか業苦なのかーーこの美しい尼の物語は恐ろしく深い。