「スポーツで夢をかなえる」応援




 アスレティックトレーナーという職をご存じだろうか?和歌山県民の体力が全国的に見て最下位に近いということをご存じのかたも多いと思う。地域で体力増進・疾病予防・スポーツ振興・発展のため日夜活躍する南由佳さんを取り上げたい。 (中村 聖代) 




【芸能界並みの扱い】


   由佳さんは市内出身、向陽高等学校に学んだ。四年制や短期大学に進むのが当たり前の進学校だ。   専門学校希望者は2000年当時2人のみ。


    スポーツの専門学校??進路指導の教師は、「(訳のわからない)学校に進むより大学に入ってからダブルスクールに行くとか、大学に行って体育の教師になるとかしては?」と、まるで芸能界に進むかのような反対。








「(小学生の時は先生になりたいと思っていたが、「スポーツを頑張る人を応援したい」。「これを職業にして後に続く人を増やしたい」。との思いが強まり1年かけて周囲を説得。「この時の反対がなければ今の自分はない」と由佳さんは言う。


   専門学校卒業後は大阪の整形外科医院に6年間勤めた。その後全日本ハンドボールジュニア選手に帯同した。海外遠征での経験は今も彼女の根底にある。


 また、バスケットボールは小中高専門学校時代は選手として、現在はトレーナーとして関わり続け、ライフスポーツと捉える。


【結婚後、郷里へ】


 2005年結婚を機に和歌山に戻ってきた由佳さんは、4人の子育てをしながらの活動だ。夫とともにサッカーを核とするスポーツクラブを立ち上げ、現在も携わる。



 数少ない女性スポーツトレーナーとして各種の組織に関わりながら、現在は市内の中江病院のスタッフの一員にもなっている。






   そこは医療法第四二条で認可された様々な疾病の予防や改善を目的とした、医療法人が管理する施設で、利用者は中学生以上90歳までの主婦や学生・退院後の患者、部活動の生徒たち。



     スポーツドクター・理学療法士・管理栄養士らとチームを組んで、一人一人にあったプログラムを作りサポートする。





【ママトレーナー】


 由佳さんは昨年1月から独自に作ったプログラムにも取り組む。それは「家族の健康を守るママトレーナー養成講座」だ。


     自身の子育てての経験とアスレチックトレーナーとしての経験から、月に2度半年間かけて行う。


 

     子どもの小さな変化を見逃さず、的確な対応をすること。大きくなってからでは遅い食育や足育について。さらに家族をチームと捉え、家族の専属トレーナーとしてのママの役割を考える。


   「誰かのために頑張りすぎないで、自分自身が生き生きと輝くことで皆が元気になる」のが目的だ。今年はオンライン講座になり、北海道や九州のママたちとも繫がる。


 「和歌山で子育てをしながら健康づくり・スポーツの側面支援に関われる女性アスレチックトレーナーとして成長中」の由佳さんである。


         (わかやま新報女性面)