『串かつやよしこさん』
長谷川義史作
アリス館2011年 1300円+税
対象年齢:年齢に応じて読むことができます。
(読んでもらうには)3歳から
(自分で読むには)4歳から大人まで
●○あらすじ●○
串かつやを営むよしこさんは串かつ名人です。よしこさんはなんでも揚げます。カラリと揚げます。よしこさんが揚げる串かつは人々を幸せにする串かつです。
早速、お客さんがやってきました。お客さんは眉毛を上げ、こぶしを握り、プリプリと怒っています。
よしこさんは串にパン粉をまぶしながら、言いました。「それではようござんすね。あげさせていただきます」と。
プリプリ怒ったお客さんはよしこさんの串かつを一口食べて言いました。「これはうまい」。
怒った顔はびっくりした顔になっています。そして、「いろいろあるけど ま、いっか」と、握っていたこぶしを広げ、満面の笑顔になりました。
カップルのお客さんがやってきました。「それではようござんすね。あげさせていただきます」と、よしこさん。串かつを揚げました。カラリと揚げました。カップルのお客さんは串かつを一口食べて「これはおいしい」と、結婚の約束をしました。
最後は大変です。お客さんが来たと思ったら、泥棒が「手を上げろ」とやってきました。しかし、よしこさんは手を上げず、「あげさせていただきます」と、串かつを揚げました。カラリと揚げました。
泥棒はよしこさんの串かつを一口食べて泣きました。「これはうまい」。泥棒は串かつを食べて「もう しません」とおわびしました。
さて、よしこさんはお客さんたちに何を揚げたのでしょうか。空想してみてください。そして、心に落ち着きと余裕を取り戻してくださいね。
(キャリアコンサルタント 浦田ひろみ)
わかやま新報女性面掲載 299号