銀のゲレンデで輝く紀州っ子!

 

    2024年全日本ジュニアスキー選手権大会で女子SL(スラローム:回転)競技で県勢で初めて見事優勝しました池田由芽(以下由芽)さんとご家族の方にスキーとの出会い、これからの目指す夢をお聞きしました。

 (森下 和紀)



3歳からスキーの世界へ


お父さんが学生時代からスキーの選手として活躍していて、和歌山県代表で大会に参加していたということで、由芽さんも3歳からスキー場のスキー教室からスタート。4歳から5歳は北海道のスキー教室の合宿に参加。小学1年生から北海道夕張市のスキーチーム“夕張TSOレーシング”の所属となり冬休み、春休みには合宿として夕張市で練習に励みました。5、6年生の夏休みはニュージーランドへ、冬休みには韓国での練習に参加してきました。

 


家族の絆でさらに強く


    5年生の時(2022年)、3階建ての建物を借りて、スキー競技に参加する(多い時は小中学生8人)選手たちが寝食を共に過ごしました。みんなから池田ハウスと言われて親しまれています。お母さんはホテルなどに泊まるより、一軒家の方が我が家みたいに癒される環境になるので、借りましたと言います。家族で由芽さんを支える家族愛です。

 


厳しい練習と交流でさらに強く


     “夕張TSOレーシング”での競技に向けての練習はハードでマイナスの世界での練習となります。午前中は3時間、午後3時間で20本の回転の練習をこなします。

   オフシーズンでは、お家で筋トレ、走り込みなど陸上でのトレーニングに励んでいます。

   池田ハウスでは、お母さんは他の選手たちの賄いなどして大変ですが、由芽さんにとっては、他の選手との交流が由芽さんの精神的な成長にもつながり、特に成績上位の友達との交流が由芽さんにいい刺激になったとお母さんは言います。


  その結果、由芽さんは、2023-2024シーズンの北海道での大会では、優勝1回、入賞8回の素晴らしい成績を残しています。岐阜、兵庫など他県の大会は北海道に拠点を移す前(2~4年生)に出ていた大会でも、優勝、入賞しています。


    今回の全国大会での優勝では、大会関係者からは今まで一番西の優勝者と称えられました。

 

精神的な強さを武器に


    スキーの技の磨きだけでなく、いろんなところへ行って、いろんな人に会って、交流して、人としての器が大きくなりますと人としての成長に期待しています。


     “夕張TSOレーシング”の久慈修コーチとの出会いも由芽さんには大きな存在で、やる気をいつも引き出してくれますと由芽さんは言います。


   いろんな雪質のコースで練習しています。シャーベット状、雪のかたまりのある凹凸面のコースで練習することで、本番のコースでの雪質に対応できる技術と精神力が備わり、由芽さんのリカバリー力、立ち直る力につながっています。このたびの優勝の陰では、前日の大回転での転倒がありました。そこからの立ち直りでした。

 

 

世界大会への夢


    世界大会は、日本の全国大会などで良い成績を残すと、日本のジュニアの強化指定選手に選ばれます。そこで行われる選考レースで良いタイムが出せれば世界大会に出られる可能性が高くなります。


     夢の実現に向けてお母さんは、食事の管理に気を配り、筋力がつく食事をと思いきや由芽さんは「好きなものを食べています」とにっこり。常にコーチをはじめライバルの存在に感謝することを忘れない由芽さん。由芽さんへの期待が大きくなるプレッシャーにも打ち勝って、世界大会への出場の知らせを待ちましょう。


     わかやま新報女性面304号