#   再録、動画入れました









英子:お久しぶりね。元気してた?

美佐:それがね、1か月ほど入院していたの。

英子:ええ!ちっとも知らなかったわ。

美佐:足の骨折で…今はコロナの関係で病院の面会が厳しいのよ。

英子:携帯もダメだったのね。


  美佐:その間に沢山本を読んだわ。特に身体の自由がきかない作家たちのね。










英子:「氷点」の三浦綾子さんは脊椎カリエスで13年間寝たきりだったのは有名ね。{ちなみに夫は三浦光世さん。同じクリスチャンの曽野綾子さんの夫は三浦朱門さんー紛らわしい}。









  美佐:群馬県の元体育教師、星野富弘さんもすごいよね。「花の詩画展」を海外あちこちで開催したり今も頑張っておられる。最近、残念ながら死去。




 


英子:五体満足な私たちは頭が下がるし、不自由な人たちは勇気が与えられるわ。


   寝たままの生活で多くの詩・随筆を発表



美佐:で、「座古愛子」さんて知ってる?


  英子:初めて聞く名前だわ。



美佐:明治11年生まれの彼女は少女時代にリュウマチに侵され68歳で亡くなるまで生涯寝たままの生活を送ったの。多くの詩・歌・随筆を発表し、明治末期から昭和初期まで,彼女の書を読んで生きる勇気と力を与えられた人は数え切れないっていうわ。



戦後彼女の名は忘れられ、その著書も今ないということよ。


英子:そんな人がいたのね。



美佐:そもそも彼女を知ったのは、浄土真宗の念仏者、中村久子さん自叙伝「こころの手足」からなの。


  英子:念仏者?



美佐:この人も幼少の頃突発性脱疸にかかり両手足を切断,以後四肢なき子として筆舌に尽くし難い人生を歩んだ人なの。おまけに彼女たちは貧困のなかで生きていた。



  英子:私だったら絶望しかないわ。


  困難そのものが救い?


美佐:不思議なことに三浦さん、星野さん、座古さんは皆イエス・キリストを信じているの。


英子:宗教にすがる?



英子:「悩める者を慰めを以て救ふなら分かってゐますが,悩みそのものを用ゐて,救ひ給ふとは腑に落ちぬと思ふべきですが,救はれた者には,逆から来た恩恵が分かります。」『闇より光へ』P155~P157

ってあるの。前半は分かる気がするけど、「逆から来た恩恵」って分からないわ。困難そのものが救いみたいな…まだまだ「救はれた者」の自覚がないせいね。


   (中村 聖代)


      わかやま新報女性面掲載