渡辺有一作 ポプラ社 



  1978年 1296

http://tinyurl.com/p7me2z6

・対象年齢:年齢に応じて読むことができます。

(読んでもらうには)3歳から

(自分で読むには)4歳から大人まで 



<あらすじ>

 東京都の南に約140kmいくと、伊豆諸島があります。その中に周囲約8km&面積4.12km2の小さな島、利島があります。


 この絵本の主人公はこの島の小学1年生の男の子。日本一の生産量を誇る椿油を作る工場のひとり息子です。名前は太郎君。


 太郎君は小学校から帰る時、友達に海賊ごっこの誘いを受けました。しかし、放課後は「母ちゃんの椿の実拾い」の手伝いをしなくてはなりません。日曜日にも、遊びたい気持ちを抑え、工場の手伝いです。


 冬休みになると、ようやく友達と思う存分、遊べるようになります。




 しかし、身重の母親が働きすぎで倒れ、東京に入院することになりました。役場の人が旗を携え、太郎を呼びに来ます。自衛隊のヘリも要請されます。母親は横になったまま、ヘリで東京に運ばれました。


 それから4日後、母親は手術で出産することになりました。太郎君は心配です。出荷真っ最中の父親に代わって、東京に行くことにしました。


 父親に地図を書いてもらい、出発です。

 まず、知り合いばかり6人程度の小さな船に乗ります。そして島をめぐるフェリーに乗り換え、約5時間かけて、東京を目指します。


 さらに電車、バスと約2時間乗り継ぎ、ようやく病院に到着。雪が降る中、警備員さんの計らいで母親に会うことができました。



 絵本はコマ割になっていて、沢山の絵が丁寧に書かれています。背景からも時間の経過がよく分かります。


   少年の頑張りに自分の姿を重ねるのも良し。応援するのも良し。その他にも、離島の生活の大変さや、自然の豊かさも垣間見ることもできます。夏休みに旅行に行った気分にもなれますよ♪

                                                   (浦田 ひろみ