26日掲載アマタ記事です

紀美野町愛でまちづくりを

 

     紀美野町出身で同町のことをこよなく愛する北裕子さんに今までの活動とこれからの夢をお聞きしました。(森下 和紀)



 

“くらとくり”の可愛いネーミング


   北さんは、紀美野町で“くらとくり”という可愛い名前のカフェ(写真↑)を運営しています。


 「“くらとくり”の名前の由来は、文字どおり、実家が栗農家であり、蔵を活用してということで“くりとくら”にしようと思いましたが、子どもたちに人気の“ぐりとぐら”という絵本がありまして、“くりとくら”という名前では、著作権の関係での指導があり、ひっくり返して“くらとくり”という名前になりました」という裏話も。

 




紀美野町の憩いのカフェ


  さて、その“くら”ですが、老朽化のため取り壊しの予定だった築約100年のJAさん所有の米蔵を、Uターンして来た13年前に北さんが購入し、北さん自身も壁の塗装をしたりして、約2年をかけてリノベーションして、“くらとくり”というシェアスペースに生まれ変わりました。


 「栗ジャムについては、ラッキーなことにオープン前に在阪のテレビ局から取材を受けて放映され、栗農家自身が栗ジャムを作っていることは珍しく、反響も大きかったです」。


  同じ頃、大阪から移住された方が北さんと農業がご縁でつながり、その蔵で菜食ランチのお店“もみのき食堂”をスタート。


「今では、中心となりカフェを切盛りしてくれています。当初、週末だけでしたが、平日も営業をし、町内外から来客で賑わっています」。取材当日も女性のグループ何組も来ていました。



 

多様性を育む紀美野町


「紀美野町にいろんな方が来て、自然豊かな紀美野町で暮らしてほしいです。そのためにも思いやりが大切です。従来からの住民と移住してきた住民との隔たりが出来ないことが大切で、移住してきた若い家族を見守ることも必要です。多様性であれば生き物の生命力も強くなります。人間も同じだと思います。多様性をお互い認め合うことで、個人の個性を活かして紀美野町の活力になっていくと思います」。 



関西空港に近いメリット



「紀美野町は、関西空港に近いということは、世界にも近いということです。海外の人を紀美野町に呼んできたいと考えている移住者もいます。Uターン、Iターンの人も大切です。一度外から紀美野町を見て戻ってくると紀美野町の魅力と課題が見えてきます。積極的に動けます」。


 「紀美野町は、早くから定住移住に取り組んできました。当初は定年退職した人たちが移住してくるケースが多かったですが、最近は新型コロナの影響で、自然に恵まれたところで暮らしたいと希望する若い世代、インターネットを活用してのお仕事を持っている若い世代の家族が多くなってきました」。

 

故郷 紀美野町に想うこと


  「生まれたところが好きと言えるのは幸せです。紀美野町愛が強い。愛着が強いです。故郷の地域に育てられたことが原動力となっています。農家出身だからこそ末来の農業のことを懸念しています。食を守る農業の大切さや魅力を発信し、農産物を加工して食のブランド化を進める必要性も感じています」。


   北さんが販売している人気の栗ジャムもそんな思いから開発しました。


「農業が持つ力には、国土を守るという意味もあります。生き物は育つための栄養を自ら調達している。人も同じです。地産地消を今後も進めていきたいです」。と力強く語ってくれました。


 

             (わかやま新報女性面)