『なんにも できない おとうさん』


 ひがしちから作 あかね書房

 2017年 1430


対象年齢:年齢に応じて読むことができます。 


(読んでもらうには)4歳から

(自分で読むには)5歳から大人まで


 またまた家籠りの夏休み。家族と長時間一緒にいて、相手のできないことが気になっていませんか?でも、私たち大人も子供から見るとできないことがたくさんあるんです。  



<あらすじ>

 元気な女の子のみーちゃんは今日お父さんと公園に行く約束をしていました。「起きろー」みーちゃんはお父さんのお布団の上にまたがります。


   「もう、お父さんたらみーちゃんより早く起きられないの」みーちゃんは三輪車に乗りながら言います。


 みーちゃんは三輪車に乗るのがとても得意です。でも、お父さんは乗れません。みーちゃんはお母さんのように言います。「もう、お父さんたら三輪車に乗れないの」


     みーちゃんは道端で「みゃーん」と話しかけてきた猫にも上手にお返事します。でも、お父さんは耳障りな「にゃー」。猫は逃げてしまいました。


 草でできた公園に入る秘密のトンネルも大きいお父さんはくぐれません。みーちゃんが見つけられる公園の宝物もお父さんは見つけられないし、ちょうちょと一緒に踊ることもできません。でも、みーちゃんは楽しそうです。


   公園からの帰り道、みーちゃんはお父さんに大好きな肩車をやってもらいました。みーちゃんはつぶやきます。


「そういえばお父さん肩車もできないね」お父さんは不思議な顔をしますが、「本当だ。大きくなったらやってもらおうかな」と言います。


   みーちゃんは笑顔で答えます。「もっとも~っと大きくなったらやってあげる!」


 家籠りが続いたこの夏休み。私も子供から色々聞かれ、「滑り台滑ベらないの?できないの?」言われたことを思い出しました。でも、それをとやかくうるさく言いません。すごいです。見習いたいですね。


     (浦田ひろみ)                           わかやま新報女性面