和歌山城バックに



  

   【wood me】の

       大谷恵さん


 端材から鮮やかな製品


      紀州ひのきの温もり・香りは人の心を癒し、暮らしを豊かにするをテーマに、活動を展開している“WOOD me ”の代表者の大谷恵さんに紀州ひのきとの出会い、これからの活動についてお聞きしました。(森下 和紀)




                                             

     秋田県から和歌山県に嫁いで来られた大谷さん。そこに至るまで、アパレルの販売員の会社(東京)での仕事は出張が多くて、その出張先でご主人さんと出会い、和歌山の地に来られました。        

     

       「秋田県も和歌山県と同じように木が多く、木造の家で育っている事や、何の気なしに木製品を使っていることも多く木はとても身近な存在でした」。      


      ご主人が、和歌山市内で先代が大谷木工という屋号で、ふすまのふちやわくを作っていましたが、厳しい状況が続き、世代交代のタイミングで神社の絵馬づくりにシフトしていきました。             

    



        大谷さんは子育て中でしたが、ご主人さんと二人三脚で絵馬づくりの木工所として作業を手伝っていました。






   「絵馬を切り取った後の端材を捨ててしまうのがもったいないと思うようになって、その端材を再利用するための商品づくりを考えました」。   


     そこで、大谷さんは、端材となった木にスタンプを押したり、切り絵に色付けをしたりして、フリーマーケットに出店したりしました。            


     しかし、すべて手作りで商品として納得するものが出来ず、二人目の妊娠をきっかけに一度諦めてしまいました。         


      新型コロナウイルスの流行により絵馬の売れ行きが不振になり経営が苦しくなってきました。                   


    そこで何か新しい商品づくりをと考えた大谷さんは、以前チャレンジした商品作りの経験を活かし、新しく導入したレーザー加工機を使った紀州ひのき材の製品を考えた。                



     今まで商品の材料としては使えない木の端くれや節が多く入った木なども使えるようになりました。         


     さらに小さいパーツまで作れるようになり、子どもたちを対象にしたワークショップも始めました。 


 





 

    商品に付けるブランド名を“WOODme”とつけ、”WOOD“は木、”me“は自分のモノという意味と、自身の名前が恵(megumi)ということから付けました。




 子育て中でも仕事をしたいという思いを持ったママたちとの出会い

    育児中で一人では一歩も前に進めない。でも仕事をしたいというママさんが大谷さんの活動を知って、“WOOD me”に4人のママが集まってきました。  

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     大谷さんは、紀州ひのきのお土産を主軸とし、そこから生まれた端材でアクセサリーづくりとその販路拡大のための広報など、そのママさんが得意とするところを大谷さんは見つけて、その背中を押して、“WOOD me”での仕事に繋げていきました。                  


     そのことがママさんの自信にも繋がり、モノづくりが楽しい、さらにママさんの再度のキャリアづくりに繋がっていきました。                               


大谷恵 インスタグラムより

『女性が働く環境』『職人の価値の見直し』がテーマの木工所です💞和歌山の小さい木工所だから出来ること、そして私達だから出来ることを見つけて行動しています🍀子育てしながら仕事をするとイレギュラーだらけ!それごと楽しんじゃおう😄✨️


    「子育てで子どもは成長していきますが、ママさんも自分のキャリア形成を通して自身の成長にも繋がっていきます。子育て中の限られた時間に仕事の結果を出すということになってきます。自分のタイムスケジュールに反映させながら仕事を進めていく喜びが生まれてきます。  ママさんたちにしか出来ないチャレンジをしてほしいです。今では、百貨店などの催事、商談なども担当してもらっています」。                     


   

「コロナ禍で大変でしたが、人間不信になることを防ぎ、助け合っていく現場を作ってきました。“WOOD me”に集まったママさんは、責任をもって子育てにも仕事にも真摯に向き合っています。メンバーで子育ての悩みも話し合い、触れ合いの居場所になっています。紀州ひのきを通して、ママさんの居場所を大切に広げて行きたいと思っています。この居場所から全てのママさんを応援していきたいです」と、力強く語ってくれました。 




【わかやま新報女性面掲載】