世界の料理に挑戦、文化談義も







 「男子厨房に入るべからず」はすでに死語になっているが、今や男性の料理熱は予想をはるかに超える現象が起きている。中にはプロ級の技をマスターした人もいるそうだ。主婦らにとって便利で都合のよいこと?なのかもしれない。料理のできる男はモテるーーそんなキーワードも浮上している。そうした裾野の一端を支える一人の料理おやじの話をーー。

   (岩田  誠)


 ベターホーム協会のHPイラストから引用





・独自メニュー競う


 各所で開かれる男性料理教室は盛況。抽選になるほどの申し込みがあったところも。 最近は特に働き盛りがよく集まるそうだ。「よく台所に立つので本格的に料理を覚えたい」「料理は学生時代から好きだから」という人も多い。 


 定年後の挑戦に料理を選んだ60代は、より熱い意欲を持って講座に臨んでいる。受講した一人は、妻が体調を崩し、1カ月外食を繰り返した経験から。「外食は偏るし、満足感がない。自分の得意料理をつくりたいから」と語る。 


 目立つ特徴は、奥さんが作らないメニューに挑戦、特別の先生はいなくて先輩が教えてくれるなど。また原則、女人禁制、仲間の前職は知らない教えない、だから過去を語らないからえらぶらないーーといった風潮も面白い。



 さて筆者はどこにも属さぬ、全くの無手勝流で、「世界料理ひとさら」を標ぼうして仲間との月1回のパーティに馳せ参じる。


  今回作った料理はチキンショルバ(アルジェリアのスープ) 。レモンの風味が爽やかな美味しいスープ。ショルバはアラビア語でスープのこと。鶏肉、玉ねぎ(みじん切り) 、ひよこ豆(水煮)、シナモンパウダーなどの材料で、本番まで何回かテスト料理をするのはしんどいが、面白い発見もある。    


・国の文化など語り合う


 料理にかこつけて、その国のぶんか・歴史などうんちくを語り合うのも楽しみの一つ。

 今回の北アフリカのアルジェリアでいえば、首都アルジェを題材にした歌が「カスバの女」、エト邦枝が歌う。

「――ここは地の果て アルジェリア どうせカスバの夜に咲く 酒場の女のうす情け」1955年、作詞家大高ひさをが首都アルジェのカスバを舞台にして詩を書いた作品である。緑川アコや青江三奈らがカバーするとこれがヒット、世間に広がった。



 アルジェリアにはサハラ砂漠があり、旧宗主国はフランスで、ワールドカップサッカーの優勝キャプテンだったジダン選手の父母の故郷でもある。



  (わかやま新報女性面掲載)