「 〜の手習い」って聞くけど、一体何歳からのことを指すのだろうと、スマホで調べました。
正解は60で、「60の手習い」とは「学問や習い事を始めるのに遅いという事はない」という意味でした。
実は私、詩吟を始めました。詩吟という古典的な楽曲には全く興味のなかった私です。
それが突然、その魅力に触れ、その日の内に入門させて頂きました。
流派は色々あるようですが、先生の勧めてくれた流派は免許が一番安いというのが魅力でした。
詩吟をする事により①古今東西の有名な漢詩や歌に触れる事で教養が身につく②記憶力、集中力が高まる③教本1つで、1人でいつでも、どこでも演じられるーなどの効用があります。
習い始めの詩は「楠公子に訣るるの図に題す」(なんこう子にわかるるの図に題す)頼山陽作
「海甸陰風草木〜」(かいでんのいんぷうそうもくなまぐさし)に始まる詩です。
始めは何の事かチンプンカン、吟じているうちに、意味もわかってきて、楽しくなってきました。
コンダクターの楽器の伴奏で先生の口伝により、真似してうたう日々ですが、どんどんその魅力に取りつかれている私です。
(中村 聖代)
⬆️ 和歌山の 山本 玲子さん
柑橘と梅の農家で生まれ育った山本玲子さんは、柑橘の魅力に小さい頃から目覚め、無類の柑橘好きになって、2023年4月に取得した県内第1号の柑橘ソムリエになった経緯や柑橘への思いをお伺いしました。
(森下 和紀)
# 柑橘と現代アート
紀南アートウィークという紀南で豊富な歴史的・文化的資産を現代に蘇らせたいという活動をしている団体に参加することになって、柑橘に焦点を当てたプログラムで、哲学、文化人類学的にとらえて、柑橘を使った現代アートに取り組んだと言います。
視点を変えて柑橘を見ていると、柑橘の価値の深堀りにもつながり、柑橘自体が現代アートのオブジェクトになると強調します。
# 柑橘ソムリエの誕生
現代アートとしての柑橘の魅力を深堀りをしていた山本さんは、柑橘の味覚の魅力を上手く伝えたいという思いが強くなって、ワインや野菜のように柑橘のソムリエがいたらということで、愛媛県で2020年にスタートしていた「柑橘ソムリエライセンス制度」に出会いました。
柑橘ソムリエには、食べずにわかる“目利き”、味を的確にとらえ理解する“味覚”、魅力を広く人に伝える“表現”という3つの力を養成する3日間連続の講座を受講し最終日に試験に合格して、県内第一号の柑橘ソムリエ誕生となりました。
昨年の和歌山での講座では、県内からは新たに9名のソムリエが誕生して、現在、県内には10名の柑橘ソムリエが活躍しています。
ペアリング料理を楽しむ会
2023年4月に田辺市を中心に柑橘好きな人が集まり、団体を設立。 山本さんも設立に関わり、柑橘に関する講座、イベントや情報発信を通じて、柑橘の魅力を発信し、柑橘ファンを増やす活動を展開しています。
その一つとして、2023年8月に柑橘ジュースに合うフランス料理のペアリングを楽しむイベントも開催。県外からの参加も多く、大変好評で、地元のフランス料理店が協力してくれて嬉しかったですと微笑みます。
さらに、和歌山でも柑橘ソムリエの講座を今年も秋頃に開催予定。2日間の講座と3日目はテストを実施(ほとんど記述式)合格率70%以上を目指しますと言います。
みかんジュースと合うペアリング料理
# これからの柑橘の魅力を伝えるコミュニティへ
今後も“みかんソサエティー和歌山“がコミュニティの中心になって、イベントを通して柑橘の魅力を周知していきたいです。イベントをすることで、消費者の生の声が聞けることは、大いに参考になります。グループワークや短期講習などの開催も予定しています。イベントの参加者も県外からの方も多く、注目されているという思いで身が引き締まりますと言います。
柑橘ジュースとのペアリングを和洋の料理にも繋いでいくことで、柑橘の価値を高めて行くことになります。
さらに和歌山の独自色を出しながら産地を超えて愛媛と協業していくことも柑橘の魅力を伝えることにつながっていきます。
# 柑橘の魅力を海外へ
今後の注目点は、熊野古道を訪れる外国の観光客、インバウンドにも積極的に関わっていくとことで、海外への柑橘の魅力を伝えることも今後重要になってきますと訴えます。
和歌山から海外に柑橘の魅力を伝えるツアーも考えていきたいです。柑橘の消費が海外でも増えてほしいと山本さんは海外にも視点を向けています。
最後に山本さんは、柑橘ソムリエとして、「シーズンそれぞれの柑橘の味を楽しんでほしいです。旬の柑橘は、身体にもいいんです。そのことを多くの人に周知していきたいです」と締めくくってくれました。
(わかやま新報女性面303号)