ハワイを訪れる機会に、ぜひ行ってみたかったところの一つが、ワイキキからアラワイ運河を挟んだ山側に広がるモイリイリ地域にあるモイリイリ本願寺。



   モイリヒリ地区中心部にかかる虹



    帰国の空港に向かう日曜日の朝、ほんのわずかな時間でしたが、朝の礼拝に参加しました。お経が英語で讃美歌のようにオルガンの伴奏にあわせて歌われていた光景は一見の価値がありました。


  このモイリイリ本願寺の門徒さんの活動が世界中に広がった「プロジェクトダーナ」という地域の高齢者を支援するボランティア活動のお話を現地で聞きたいと思っていました。


   ダーナというのは、他者のために自分の時間を差し出すという布施の精神をもって、独居高齢者などに提供する活動です。もともとは門徒さんたち同士の支えあいの活動でしたが、カーター元大統領夫人が創設したローザリン・カーター介護賞の第1回受賞を受けたこともあって、今は宗派を超えて世界にその活動が波及しています。



  お話を伺うと、その活動は高齢者や身体障がい者に対する家庭訪問だけでなく、介護者の休息の時間を提供するための支援や、買い物・通院・教会に行くための送迎を全て地域の方々のボランティア活動で行われています。



    これらの活動資金は、寄付やハワイ州やホノルル市からの助成金で運営されているそうです。ハワイも日本と同様に高齢化しており、このような人と人とのつながりで支えあうコミュニティのあり方に学ぶところが大きいように思います。

 

  日本語の檀那(旦那)は、サンスクリット語のダーナが語源とされる仏教語由来の言葉です。それがラテン語のドーヌム(贈り物)となり、英語のドナーの語源でもあるそうです。ダンナもドナーも、その人にとって大切なものを人に施すということなのでしょう。


    決して物質的なものではなく、自分の時間や人への思いやりなど、人に何かを与えられる人間であることの幸せを大切にしたいものです。(石井 敦子)