京都の日帰りコースに、北野天満宮、花街の上七軒(かみしちけん)と西陣織会館のトリプルセットをお勧めします。地元での呼称は かみななけん。
北野天満宮は菅原道真を祀った神社。学問の神さまとしても知られ、受験生などの祈願、絵馬の奉納が絶えません。
毎月25日に天神さんと呼ばれる市が催されます。梅の季節はおわり。初夏にかけて、青モミジが楽しめます。
門前町の花街「上七軒」の起源は15世紀中頃、北野天満宮の一部が焼失し、その修造の際に残った用材を使用して七軒のお茶屋を建て、「七軒茶屋」と称したことが起源だとされています。
寛永年間には七軒茶屋に公許がおり、花街として、西陣の旦那衆の奥座敷として発展。
現在、お茶屋10軒、芸妓、舞妓合わせて25人の陣容です。毎年1月9日には芸舞妓さんの始業式も行われます。
この界隈を舞台にした安部龍太郎著『恋七夜』――豊臣秀吉は天下人としての威勢を示さんと北野天満宮にて空前の大茶会を企図する。
ここで、上七軒を代表する北野太夫富子は、結氏(油井氏)・源史郎と出会う。
運命の恋は?大茶会に仕組まれた秀吉暗殺の陰謀は?とぐいぐい引っ張られてしまいます。
上七軒の歌舞練場。春はこの界隈の芸舞妓が舞う「北野をどり」や夏のビアガーデン会場となる場所。
そんな歌舞練場内に、じつはレストランがあり、ひっそりと営業しています。 店名は「茶ろん 上七軒」。
「海老フライ、サラダとライス付」1000円。「ビーフシチュー+ドリンクセット」1500円など手ごろな価格。
お茶屋遊びは無理としても、周辺には割烹風居酒屋、美味しいうどん店、和菓子店などが点在しており、歩くのにも丁度良い通りなので、芸妓さんとも出くわすチャンスも多いと思います。
15分も歩くと、「西陣織会館」に到着。
西陣織の紹介や史料を常時展示しています。 また、伝統の業を紹介する職人による実演や短時間で制作体験などを楽しむことができます。十二単・舞妓・芸妓の着付のほか、きもの(小紋)の着付1日外出なども実施しています。
西陣織会館ならではの艶やかな「きものショー」。
着物には様々な種類があります。カジュアルな普段着、お祝いの日に着るもの、格式のある場で着るもの、そして年齢によっても似合う着物が違います。
華やかな「きものショー」は、着物と帯の組み合わせの美しさ、帯の結び方の違いなども意識して観ると、さらにわくわくします。
岩田 誠
(わかやま新報女性面掲載)