暖かく、心を包み込んでくれる
沖縄は基地問題などで、ホットなニュースが続いている。
少し古いが、古謝(こじゃ)美佐子をリーダーにする4人組「ネーネーズ」(第1期)の2曲を久しぶりにユーチューブで聞いた。ネーネーズは姉さんの意味らしい。
「素朴で純情な人たちよ、きれいな目をした人たちよ、黄金で心を汚さないで。黄金の花はいつか散る」
ネーネーズの代表曲である『黄金の花』。岡本おさみ作詞、知名定男作曲のこの曲は、拝金主義が盛んだったバブル→そして崩壊時代の中での、一種の緩やかなメッセージソングとも捉えることができよう。
いくつ印象に残る歌詞には「病気のお金はありますか 悪い人には気をつけて」「神が与えた宝物 それは黄金でないはずよ」
1990年にデビュー、10年間で様々なジャンルに挑戦、欧米にもファンを広げていく。
中でも、よりメッセージ性の強いのが『平和の琉歌』。
桑田佳祐の作詞・作曲で、サザンも歌うが、ネーネーズの方が好きだ。
「この国が平和だと だれが決めたの 人の涙も渇かぬうちに アメリカの傘の下 夢も見ました
民を見捨てた戦争(いくさ)の果てに
蒼いお月様が泣いております
忘れられないこともあります
愛を植えましょう この島へ」
さらに2番の最初は心に突き刺さってくる。
「この国が平和だと 誰が決めたの 汚れ我が身の罪ほろぼしにーー」
戦後、傷ついた沖縄がアメリカに支配され、基地の島にされてしまった現実を歌の背景にしている。
ただメッセージ性の強い歌詞なのに、ネーネーズの歌い方は、暖かくて、緩やかに包んでくれる。
古謝はソロ活動も活発に行っている。『童神』(わらびがみ)という名曲もあり、色んな歌手がカバーしているので、今度ゆっくり聞いてみたい。
(岩田 誠)
わかやま新報女性面掲載