大阪天満天神繁昌亭にも出演           # 取材時は中学生




小阪はやのさん=和歌山市で、姜弘修撮影
 
   

     和歌山市内西高松にボランティア団体「わかやま楽落会」がある。その中のメンバーのひとりに「ぴょんぴょん亭うさぎ」こと  小阪はやのさんがいる。 彼女は現在17才(取材時は中学生)、県内外のイベントや敬老会・サロンなどで落語を披露。大阪天満天神繁昌亭にも出演の経験がある実力派。そのうさぎさんに会い、直接落語を演じてもらう機会があった。(中村 聖代)







【10周年を迎えて】


    「ぴょんぴょん亭うさぎこと小阪はやのさん(以下うさぎさんと呼ぶ)、2020年12月に海南nobinos(ノビノス)で「うさぎとうな晴十周年記念「うさぎうな晴2人会」を開いた。うさぎさんは4歳のときから落語を始め、うな晴さんは6歳から「わかやま楽落会」に入会。ともに十年選手のベテランだ。「皆様の笑顔のおかげでこんなに大きくなりました」と感謝している。





    



  

 2人とも様々なイベントに参加、全国で開かれる子ども落語大会に出場してきた。大阪の大会は入賞すると天満天神繁昌亭の朝席に出られるご褒美があり、5回ずつ出演したということだ。



【きっかけは姉】 


 うさぎさんが落語に興味を覚えたのは、実は英語を習っていた5歳上の姉だった。


      姉が英語落語をする機会があり日本語の落語もやってみようと、ワークショップに参加した。その時小さくて付いてきているだけだったうさぎさんがハマってしまい、姉が卒業してからも続けたのだった。彼女の感性にフィットする何かがあったのだろう。


【楽しいわけ】


 「落語会が終わった後に出演者全員が並んでお客さんを見送るのですが、『ありがとう、面白かった!』と言われた時が(自分をみてくれていたと思い)何よりも嬉しい」と語る。


       また、同世代から「落語って何?」と聞かれたり、高座に上がるときの着物に際し、日本の伝統文化にふれられている、という特別感がある、とも言っている。




   

      

  【落語を鑑賞して】


 今回の演目は、「四人癖」と「つる」の2つだった。すぐに落語の世界に引き込まれ、なんの違和感もなかった。とても中学生が演じているとは思えなかった。


   しぐさも細かく、何度も目をこする場面が出てきたが、自分も同じようにやってみたくなるほど、同じ時、同じ空間に入ったような感覚だった。


      彼女が高座に上がる前に「ドキドキ緊張する」とか、「試験勉強しなけりゃ」という肉声を聞いた時、初めて「あぁ、中学生なんだなぁ」と認識した次第だ。




【マネージャーは母】


 うさぎさんの活動を母がブログにアップしている。高座に上がるときの着付けも母親だ。


   「将来は?」と尋ねてみたら、「まだ分からない」と返ってきた。今を十分に楽しみ、充実させることに一生懸命なうさぎさん。


 愛らしいうさぎさんにファンもたくさんいることだろう。コロナ禍の中、明るい話題に乏しい時期だが、皆の笑いで世の中が明るく楽しくなる。これからの活躍に期待している。


   【わかやま新報女性面掲載】