童話パロ・手袋を買いに・前 | TVXQは近くにありて想ふもの

TVXQは近くにありて想ふもの

完全なるフィクションの妄想小説です

無断転載は一切おやめ下さい






「おんま見て!お外すごいよ!」

「え?」

「あ、いたっ・・・おめめに何かささった・・・!」

「なんですって?!」




ある寒い冬の朝

巣穴から飛び出した子ぎつねユノの声に、母親ぎつねは慌ててユノへと駆け寄りました

目を抑えるユノの手をそっと取って、じっと覗き込みましたが何もありません

そうして母ぎつねは初めて顔を上げ

巣穴の外が一面の銀世界になっていることに気付いたのでした




「まあ・・・一晩でこんなに降ったのね」
 
「おんま、これなに?まっしろで冷たくて・・・でもとってもキレイ!」

「これは雪というのよ、寒くなるとお空から降ってくるの」

「ゆき?へぇ〜・・・んふふふ、すごぉーくちべたいっ!」




ユノがあたりを駆け回ると、降り積もったばかりの粉雪がふわりと舞っては陽の光に照らされて

キラキラと瞬いているようです

ユノは余程楽しいのか、しばらく巣穴へは帰ってきませんでしたが

やっと巣穴に帰ってきたかと思うと母ぎつねに言いました




「おんま、おててが冷たい、おててがちんちんする」

「あらあら、大丈夫よ、雪をさわった後はすぐにあったかくなるからね」




母ぎつねは、ユノのちんまりとした手をつつみこみ

はあっと息を吹きかけては撫でてやり

あったかくなあれと節をつけて歌いました

ユノも一緒に歌いました

けれど母ぎつねは、可愛い手に霜焼けができてはかわいそうね、と思い

夜になったら街まで行って、ユノの手に合うような毛糸の手袋を買ってやろうと思いました








✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱✱








暗いマントのような闇を連れて、夜がやって来ました

しかし、いつもは何でもかんでも飲み込んでしまう夜も

今夜ばかりは真っ白な雪のせいで、ぽっかりと地面が浮かび上がっているように見えます

母ぎつねとユノは、雪道を並んで歩いていました

ユノはこんな夜更けにお外に出るのが嬉しくて、キョロキョロとよそ見ばかりしています




「おんま見て!お星さまは、あんな低いとこにも落ちてるんだね!」

「あれはお星様じゃないのよ、あれは街の灯なの」




ユノが指した方向には、ぽおっと優しく光る橙(だいだい)色の明かり

母ぎつねはその明かりを見て、思い出していました

昔、まだユノが生まれる前にお友達と街へ下りた時のことを

およしなさいと言うのも聞かずに、お友達のきつねがある家のアヒルを盗もうとしたので

お百姓に追いかけ回され、命からがら逃げおおせたことがあったのでした

街へ近付くにつれ

母ぎつねの足取りは重くなってゆきます




「おんま、どしたの?・・・おなか痛い?」

「・・・違うのよ、大丈夫・・・」




ついに母ぎつねの足は完全に止まってしまい

いっこうに動いてくれません




「おんま・・・」

「ユノ・・・」




母ぎつねはいっそ帰ってしまおうかとも思いましたが

ユノは思いもかけないことを言いました




「おんま、おれひとりで行けるよ、変身だってじょうずになったもん!」




そう言って、コロンと一回転すると

そこには人間の男の子が八重歯を見せて笑っていたのでした










つづく

















ショタゆのは正義いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!

 














ご存知、「手袋を買いに」のパロディです
ですので文章のニュアンスも少しお借りしておりますゆえ
これはオリジナルではありません
原作の文章の美しさは素晴らしいです
粉雪が舞うシーンなど、大人になって読み返すと
また違った感慨がありますね
絵本大好きです!!