映画『映画 おいハンサム!!』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『映画 おいハンサム!!』

『映画 おいハンサム!!』

(上映中~:TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡)

公式サイト:https://www.oihandsome.com/movie/

 

伊藤家の5人が織りなす恋と家族とゴハンをめぐる物語を描き話題を集め、

ドラマは2シーズン放送されたおいハンサム!!を映画化したものです。

伊藤理佐さんの「おいピータン!!」をはじめとした複数の漫画が原作で、

例によって私は原則未読なので、どう脚色してるのか知らないのですが、

とにかく、ドラマは好きで毎週欠かさず観て笑ってました。

映画化?これを映画化?という思いはおいしい給食並にありました。

が、観に行かなければ後悔する。最優先鑑賞作品として観に行きました。

 

無理やり映画にした感やとってつけたような過去のエピソードもありますが、

テレビドラマで感じた面白さは失われていませんでした。

ドラマを観ていないと分からないですよね?なシーンは多数あります。

それをいちいち説明したりはしません。それで良いと思います。

主演の吉田鋼太郎さん、主人公・伊藤源太郎がハマりまくってます。

私、吉田さんの圧の強い演技が好きなんです。

考えてみたら、『おいしい給食』が好きなのも理由は一つじゃないけど、

市原隼人さんの圧の強い演技が好きだからですね。そういうことですね。

 

伊藤源太郎の日常、3人の娘たちの日常。

そんなに特別なことは起きないのだけど、何だかどこかおかしい。

で、こういうことってあるよね感が強くて、共感ポイントが高いのです。

周囲にもすごくおかしな人もいないけど、みんなそれぞれにクセがある。

そして、源太郎だけでなく、娘たちもそれぞれにポリシーがあって、

だからちょっと悩んだり葛藤したりするのも共感ポイント。

それを、源太郎の妻、MEGUMIさん演じる千鶴が大らかに包み込んでいる。

MEGUMIさん、長女・由香役の木南晴夏さんより4歳年上なだけですよ。

 

(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)

 

3姉妹はそれぞれに異性との悩みも持っています。

3人の中でキャラとしては誰が一番好みかというと、

私は佐久間由衣さんが演じている次女の里香さん。

本作では京都を舞台に幼馴染のたかおとの顛末が描かれています。

たかお役は宮世琉弥さんという、ドラマくるり~に出てた人でした。

あのドラマの役よりも、こっちの役の方がなんか良かったです。

『おいハンサム!!』は多分きっとドラマのシーズン3もあるはずなので、

(※いや、分からないけど期待しています)

その時に映画からの流れでドラマにも登場するとしたら、

彼を含む京都の一家(これがまたクセが強い)だけだと思います。

 

で、三女・美香役は武田玲奈さん。

この方は『おいしい給食』初代ヒロイン先生役だった女優さんでして、

え?このドラマを映画にするの?的な作品にまたまた出演してました。

美香は姉二人とは違い、一人の彼氏と長く続いています。

まぁ、あれ(どれ?)を続いているといえるのかどうかは微妙ですが・・・。

キャラ的には一番父親に近いかな。圧はないですが(^_-)-☆

 

にしても、ドラマでもそうですが、本作も本当に食べるシーンが多い。

食事シーンが基本みたいな作品です。生活とはすなわち食事なのですね。

娘たちの恋模様も最終的には食欲が勝ってしまうというか、

異性間の相性として食べ物に対するこだわりに共感があることは大事で、

違っていたらダメなのではなく、相手のこだわりを理解できるかどうかです。

家族の味はその根幹となり、それを大事にしている伊藤家は素敵な家族で、

その伊藤家で育った娘たちは、基本的にいい子たちばかりなのです。

でも、私の中で一番魅力的なのは千鶴さんですけどね。

 

「普通の生活」の“普通”とは何ぞやというのは難しいところですが、

特別なことでもないけどなんだか共感してしまうことは「普通」に違いない。

という点で本作は常に「普通の生活」がテーマになっていて、

そこに食事があったり仕事があったり恋があったり“こだわり”があったり…。

本当にそれほどたいしたことでもないんだけど、なんだか面白い話なのです。