映画『ミッション・ジョイ 困難な時に幸せを見出す方法』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『ミッション・ジョイ 困難な時に幸せを見出す方法』

『ミッション・ジョイ 困難な時に幸せを見出す方法』

(上映終了:ほとり座)

公式サイト:https://unitedpeople.jp/joy/

 

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と

南アフリカのアパルトヘイト撤廃運動の指導者デズモンド・ツツ大主教の

対談などをもとに構成された世界的ベストセラー

「よろこびの書 変わりゆく世界のなかで幸せに生きるということ」を原作に、

チベット亡命政府の本拠地であるインド・ダラムサラのダライ・ラマ法王邸で

撮影された未公開映像を中心に構成されたドキュメンタリー映画です。

深い友情で結ばれた2人の精神的指導者が5日間にわたって繰り広げた、

知恵と喜びに満ちた対談の様子が映し出されています。

 

1週間以上前に観たのですが、ちょっと書く機会がなかったです。

でも、これは「今年の10本候補」に入るインパクトがありました。

もうちょっといろいろ調べてから書きたいところでもあるのですが、

富山県での上映最終日での鑑賞だったし、まぁいいか・・・と。

ぶっちゃけ、そんなに多くの人に読まれてるブログでもないしね(^_-)-☆

 

私は信仰にあつい人を否定することはありませんが、

神も仏も人間が作り出した概念でしかないと考えています。

節目節目に神社にお参りするぐらいのものです。

その程度ですが、本作でのダライ・ラマ14世とツツ大主教の話は、

今後の自身の教典・聖書にしようと思いました。

まずは本作の原作にもなっている「よろこびの書」を買おう!

って、お二人に関する本は他にも多く出版されてるんですけどね。

 

とにかく、二人の会話は面白く、ウィットに富み、奥深いです。

宗教の教えは信仰を強要するものではなく、

日々の生活の中に溶け込み、道標となるものなのだと感じました。

 

(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)

 

ダライ・ラマ氏が頻繁に「科学」という言葉を用いたのが印象的でした。

私も以前から、世の中の全ては科学と数学で実証できると考えています。

科学で証明できないことは、神の領域などということではなく、

そのことについて、まだ人間の科学力・数学力が届いてないだけなんです。

本作では「喜びを科学で解き明かす」実験が行われていました。

ダライ・ラマ氏曰く「苦しみが喜びを生む種になる」も、

受け止めようによっては、科学的考え方と言えるのではないでしょうか。

 

ということであるならば、

この先、人が生きていくために必要なことは、子供たちの教育機会です。

インド北部のチベット難民の「子ども村」という施設で学ぶ子供たちが、

皆さん英語がペラペラに話せて、ちょっと凄いなと感心しました。

狭いエリアに押し込められていても、グローバルな教養を身につけて、

教養や知識で終わらせずに知恵に変えていくと幸福を生み出せます。

 

といっても、難民ですから苦しみも多々あるわけです。

そんな子供たちを、ダライ・ラマ氏は前向きな考えで勇気づけ、

一方のツツ大主教は優しく慰めました。

ツツ大主教はキリスト教徒でありながら、仏教的慈悲の心を持っていました。

反アパルトヘイト運動の指導者として幾多の苦しみを味わいながら、

自分たちを苦しめた者を恨んだり憎んだりではなく、

許す事の強さを説いていました。これ、私、出来るかなぁ・・・。

なんて思ってちゃダメですね。私が誰かに苦しみを与えることもあるのに。

 

お二人は異なる宗教の司祭、もちろんそうでもあるのでしょうが、

それよりも、苦しい国の状況の中での指導者でした。

そして、会う機会が少なかったけれど、互いに尊敬し冗談も言い合う中でした。

この会話が本当に面白い。面白いだけでなく、真理にも触れている。

幸せは誰かを幸せにすら事から生まれる。

金、地位、名誉、そういう外側ではなく、内面の意識の持ち方が大事になる。

理屈としては難しいことではないはず。でも、実践するのは・・・難しいのかな。

 

中国政府とアメリカ政府と、本作にはあまりかかわりがありませんが、

ロシア政府がなくなるだけで、世界はかなり平和になるような気がします。

仏教の考え方、二人が生まれ変わって天国に行けるかどうか。について、

ツツ大主教が「中国が『それは自分たちが決める』って言うよ」って(^^♪

時代が流れて、この二人に続く人は出てくるのでしょうか・・・。

だからこそ、両氏の対談を書籍や本作のような映像で残すことは、

大きな意義があると感じたのでした。