映画『傷物語 こよみヴァンプ』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『傷物語 こよみヴァンプ』

『傷物語 こよみヴァンプ』

公式サイト:https://www.kizumonogatari-movie.com/

 

西尾維新さんの人気ライトノベル「物語」シリーズの

原点となる「傷物語」を2016年(~2017.1)にアニメ映画で上映された、

傷物語I 鉄血篇』『傷物語II 熱血篇』『傷物語III 冷血篇の3部作を、

総集編として再構成した長編アニメーションです。

富山県内では昨日(2.22)で劇場上映は終了しています。

 

過去の3作とも劇場で鑑賞しました。

あぁこんな話だったなということは覚えていて、

3作そのまま足すと216分のところを144分に再編集されているのですが、

上手くまとめてあると同時に作品のベクトルが少し変化した印象です。

8年前の鑑賞の記憶はあやふやなところもありますが、

こんなのあったかな?というシーンもあったような気がするし・・・。

 

前にも書きましたが、

正義と愛と生存欲求と倫理観が哲学的に描かれている物語です。

目の前に死にそうな人がいたら、できる限り助けようと思いますよね。

本作の場合はキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード

ですから、人じゃなくて吸血鬼ですけど、

阿良々木暦は自分の命の危険をかえりみず、瀕死の彼女を助けました。

そのことで悲劇が生まれます。だって彼女は吸血鬼だったから。

 

(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)

 

本作では阿良々木暦の行為は「偽善」であると評されましたが、

それとはちょっと違うんじゃないかなという気がしました。

単純に思慮が足らなかったのだと私は解釈しています。

キスショットと彼女の眷属である阿良々木暦との間には主従関係がある。

しかし、阿良々木暦には人間としての意識が残っていたので、

吸血鬼の真実を改めて知ってしまった時に葛藤と後悔が生まれるわけです。

 

前の鑑賞でも大事なポイントだと思っていましたが、

今回の鑑賞では、前に観た時よりその点が強く印象に残りました。

なぜなら・・・

 

ある意味、本作における最強のキャラクター羽川翼ちゃんの、

あんなシーン(?)やこんなシーン(?)がカットされていたから。

私の場合、お胸ではなくメガネに萌えています。

暦くんと翼ちゃんの関係性も重要なポイントですが、

まぁ、時間の関係もあるのでしょう。確かに削るならそこですよ。

で、キスショットと阿良々木暦の関係が際立ったんじゃないかな・・・と。

でも、羽川翼ちゃんは平成アニメ作品では上位(なんの?)のキャラなので、

おじさん、ちょっと残念だったな・・・と。ちょっとだけ、ちょっとだけね。