映画『月の満ち欠け』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『月の満ち欠け』

『月の満ち欠け』

(上映中~:TOHOシネマズファボーレ富山、J-MAXシアターとやま、TOHOシネマズ高岡)

公式サイト:https://movies.shochiku.co.jp/tsuki-michikake/

 

小山内堅は愛する妻・梢と娘・瑠璃と幸せな日常を送っていましたが、

不慮の事故で二人を同時に失ったことから日常が一変しました。

悲しみに沈む小山内のもとに、三角哲彦と名乗る男が訪ねてきます。

事故当日、娘の瑠璃が面識のないはずの三角に会いに来ようとしていました。

三角は自分を訪ねてきた小山内の娘の瑠璃は、

自分がかつて愛した女性の生まれ変わりではないかと言うのですが・・・。

 

2017年に第157回直木賞を受賞した佐藤正午さんのベストセラー小説を、

大泉洋さん主演、有村架純さん、目黒蓮さん、柴咲コウさんの共演、

廣木隆一監督のメガホンにより映画化したものです。

実は母性Dr.コトー診療所と同日に続けて鑑賞してまして、

同じ日に廣木隆一監督作を2本、柴咲さんも続けて観たという。

でもって、ドラマ舞いあがれ!も『silent』も観ているので、

なんだか最近、目黒蓮さんばかり観てるなぁ・・・って感じでした。

 

良かった点としては、有村架純さんの魅力がまた増していること。

あと、高校時代の瑠璃の同級生役を伊藤沙莉さんが演じていた衝撃。

伊藤さんは、その後、大人でも登場しますが、

とにかく「おぉ!」ってなりました。好きな女優さんです。

あと、80年代の高田馬場の風情の再現は、

80年代後半に東京在住だったくせに、私にはよく分かりませんが、

レコード屋さんの雰囲気がなんだか良いな・・・と思いました。

 

(以下、“適度”にネタバレしています。ご了承ください)

物語は“いい話”っぽいけど、実はそうでもないな・・・という印象でした。

「生まれ変わり」を観客側がどう捉えているかで違ってくるかもしれません。

瑠璃が瑠璃の「生まれ変わり」であることは明らかで、

それを小山内は素直に受け入れられるのかがポイントですが、

小山内は娘への思いが強すぎて簡単には受け入れられません。

まぁ、そうですよね。普通はあり得ないと思うことでしょうから。

でも、私は以前からこういうこともあるかもしれないと思っているので、

ファンタジーにも衝撃にもならないという受け止め方になります。

 

とはいえ、受け入れられない小山内の苦悩は私も理解できます。

一方で、瑠璃側が意外とといってはなんですが、あっさりしたものでして、

その真実を人には話せない苦悩がもう少し見え隠れしても良いのかな・・・と。

ラストシーンの真実(さすがに書かないですよ)も、

例によって原作未読なので、そこがどう表現されていたのかは知りませんが、

そんなに映像であからさまに真実を見せなくても良かったように思います。

全体的に台詞もいろいろ説明しすぎのような感じはしました。

 

改めて感じたこととしては、

・遮断機が下りた踏切をくぐって渡ろうとしてはいけません

・自動車運転で右折をして、交差点内に長くとどまるのは危険です

この2点です。