映画『モービウス』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『モービウス』

『モービウス』

(上映中~:TOHOシネマズファボーレ富山)

公式サイト:https://www.morbius-movie.jp/

 

公開当初は富山県内3劇場で上映していましたが、

今はファボーレのみのようです。先日、“やっと”観てきました。

THE BATMAN ザ・バットマンに負けないくらい映像が暗かったですが、

コウモリ絡みの映画は暗くてナンボなのかもしれません。

終始緊張感があって、なかなか面白かったです。続編がありそうな終わり方。

モービウスはもともとスパイダーマンの敵役ですから、今度は・・・って、

え?それはどのスパイダーマンと関わるの?

もう流れが分からなくなりますが、本作は“まだ”そこは気にせず楽しめます。

 

若くしてノーベル生理学・医学賞を受賞するほどの天才医師、

マイケル・モービウスは幼いころから血液の難病を患っています。

同じ病に苦しみ、同じ病棟で兄弟のように育った親友のマイロのためにも、

一日も早く治療法を確立したい彼は、吸血コウモリの血清を投与する

という危険な治療法を自らの肉体を実験台にして試しました。

その結果、マイケルの肉体は激変し、超人的なスピードや飛行能力、

周囲の状況を察知するレーダー能力などが身につきましたが、

代償として血に対する渇望に苦しむこととなる・・・という展開です。

 

さすが、スパイダーマンの敵役だけのことはあります。

バットマンよりもモービウスの方が本物(?)の「コウモリ男」ですね。

ちなみに、全然関係ない話ですが、

『仮面ライダー』の第1話の怪人が蜘蛛男、第2話の怪人が蝙蝠男です。

 

(以下、“適度”にネタバレして・・・るのかな?ご了承ください)

さて、マイケルは自分の実験を悔やんでいます。

子供の頃からの苦痛、杖があっても歩行困難な状態からは解放されました。

が、結局は血液を採り続けなければ生きていけない。

しかも、人工血液では身体が長く持たず、人の生き血が必要であり、

その気になれば超人の能力で、いくらでも人を襲って血が吸える、

そして、その欲望が抑えられなくなっていることも感じていました。

 

一方、その秘密を知ってしまったマイロは、

それの何がいけないことなのだ?と身体も心も怪人になってしまいました。

マイケルはマイロを止めなければと思いますが、

マイロはマイケルも自分と同じように怪人として生きていこうと誘います。

欲望と良心のせめぎあいが一つのテーマになっています。

ピーター・パーカーとは少し違えど、マイケル・モービウスも苦悩してます。

また、マイケルには味方もいて、しかし、犠牲になる者もいて・・・。

 

マイケルはマイロを倒して、その後で自分も死のうと考えていた。

はずなのですが、結局、自分は死なないまま物語は終ってしまいました。

その辺の葛藤はちゃんと描かれていなかったように思いますが、

経緯の中で怪人が増えてしまったので、もう簡単には死ねないですね。

あれ?モービウスって、いわゆる“悪役”ダークヒーローじゃないじゃん。

これ、続編でも苦悩は続くと思うのですが、果たしてどうなるんでしょう。

次はスパイダーマンと戦うことになったら、それはどういう立場なの?

 

マイケル・モービウスを演じているのはジャレッド・レト。

ハウス・オブ・グッチのパオロ・グッチとは別人です。

まぁ、あっちの方も相当な特殊メイクだったのですが、

彼はダラス・バイヤーズクラブでも別人みたいだったし、

そう考えると、俳優ジャレッド・レトこそ怪人という気もしてきます。