映画『ドリームプラン』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『ドリームプラン』

『ドリームプラン』

(上映中~:J-MAXシアターとやま、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡)

公式サイト:https://wwws.warnerbros.co.jp/dreamplan/

 

ウィル・スミスが主演・製作を務め、世界最強のテニスプレイヤーと称される

ビーナス&セリーナ・ウィリアムズ姉妹を世界チャンピオンに育てあげた、

テニス未経験の父親の実話を基に描かれている物語です。

優勝したテニスプレイヤーが4万ドルの小切手を受け取る姿をテレビで見て、

自分の娘をテニスプレイヤーに育てることを決意したリチャード・ウィリアムズは、

独学でテニスの教育法を研究して78ページにも及ぶ計画書を作成しました。

 

原題の『King Richard』よりも邦題『ドリームプラン』の方がしっくりきます。

前例がなく無謀と意見する人もいましたが、とにかく彼には行動力があり、

テニス未経験者だったことも、逆に良かったのかもしれません。

でも、凄いのは彼だけじゃなく、娘たちや他の家族、

そして、その計画に巻き込まれたコーチたちもです。

こういうサクセスストーリーは、一人だけの力では成し遂げられないのです。

リチャードがしつこく言い続けた「オープンスタンス」も、

実は最初に娘たちに教えたのは母親、リチャードの妻でした。

 

父の教えとして印象的だったのは、

ただただテニスが強くなることだけでなく、

強くなるからこそ必要になる「謙虚さ」を説いていたこと。

題材は『シンデレラ』でした。シンデレラって謙虚だったのか。

 

この「謙虚さ」については、彼らが黒人であることにも関係しています。

そもそも、これが物語の根幹でもあるのです。

黒人であるが故の苦悩と困難は時間を割いて描かれていました。

娘たちには自分たちのような環境にいて欲しくないという父の思い。

なので、他にも3人の娘がいるのですが、

リチャードは全ての娘たちに学業を優先させて、皆、成績優秀でした。

 

とはいうものの、当のリチャードはなかなかの傍若無人でして、

特にビーナスが頭角を現してからは、わがままなステージパパぶりでした。

正直、第三者的には関わりたくないタイプですよ。

でも、成し遂げる人というのは、こういう人なんだろうと思います。

奥さんは何度も怒ってましたけどね。そう、そういう人も必要です。

 

映画はビーナスのプロデビュー戦の2回戦まで描かれています。

その後の活躍は皆さんご存じでしょ?ということなのかもしれません。

なので、これも皆さんご存じでしょうが、

プロとしての成績は妹のセリーナの方が上なんですよね。

本作内では、セリーナがいかに耐えていたかも少しだけ描かれています。

これに関しては、また別にセリーナを主人公にして映画にして欲しいくらいです。

 

私はそれ程テニスに精通しているわけではありませんが、

あの頃のビーナスのラケットはヨネックスだったんですね。

そしてエンドロール、字幕監修:伊達公子さんでしたΣ( ̄□ ̄|||)