映画『5月の花嫁学校』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『5月の花嫁学校』

『5月の花嫁学校』

(上映中~:J-MAXシアターとやま)

公式サイト:http://5gatsu-hanayome.com/

 

1967年、フランスのアルザス地方にある花嫁学校、

ヴァン・デル・ベック家政学校に18人の少女が入学してきました。

しかし、経営者である夫の突然の死をきっかけに、

校長のポーレットは学校が破産寸前であることを知ります。

なんとか窮地から抜け出そうと奔走する中、

1968年、パリで5月革命が勃発して・・・という物語です。

 

当時はまだ「夫に従う主婦」こそが良妻と言われていたようです。

とはいうものの、徐々に女性解放の機運が高まっていた時代でもありまして、

18人の入学というのは、前年比でかなりの減少だったんですね。

しかも、生徒たちは自分の意思ではなく、親に言われて仕方なくの入学。

それを抜きにしても、ちょっと品位に欠ける娘たちという印象を持ちました。

 

まぁでも、そんな中、彼女たちは寮生活を送りながら、

それなりに授業は受けていたのですが、

現代の価値観からしたら、この学校の教えの方がナンセンスでして、

特に「夜中はトイレに行ってはいけない・・・」とか、

男女差別以前に人間としての扱いとして問題があります。

が、全体的なテイストはコメディとして描かれています。

ある意味、コメディで描かないと洒落にならないのかもしれません。

 

(※以下、ネタバレは気にせずに書いてます)

ポーレット校長をジュリエット・ビノシュが演じています。

彼女の出演作を全て観たわけではありませんが、

これまでは自立した女性を多く演じてきたイメージがあるので、

へぇ、古い価値観を教え込む役は珍しいなぁと思っていたら・・・。

そうですよね。やっぱりそうなりますよね。

結局、「私たちも革命を!」と言って踊り出してエンドロール!

 

でも、ジュリエット・ビノシュが演じる演じないは別にして、

良妻至上主義が崩壊するのは、今を生きる私たちは知っているのだから、

そこに気づいてからの、女性の権利主張への戦いや苦労が観たいのに・・・。

と思っていたら、実は「5月革命」以降、

フランスではこの手の花嫁学校はなくなってしまった事実がありました。

そうなんだ、僕が知らないだけで、それが一般常識だったんですね。

そりゃ、厳しく指導していたシスターもコロッと宗旨変えするはずだわ。

 

ただ、最近はまた、昔ながらの良妻を望む声も少なからずあるようです。

あ~そういえば、ドラマリコカツで、そういう男性キャラクターいますね。

まぁ、妻から離婚届を突き付けられて捨てられちゃってましたけど、

日本では夫に服従の良妻至上主義の人は今でも珍しくないかもしれません。

本来は妻自身が望む形の妻になれば、それで良いんでしょうけどね。