映画『家族はつらいよ』
『家族はつらいよ』
(上映中~:シアター大都会、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡)
公式サイト:http://kazoku-tsuraiyo.jp/
長男・幸之助夫婦と孫2人、次男・庄太(妻夫木聡)と3世代で同居をする頑固親父の平田周造。
ある日、妻・富子の誕生日を普段通り忘れていて、彼女に何か欲しいものはないかと尋ねると、
何と離婚届を突き付けられて、一家は騒動に・・・。という物語です。
結論から申し上げますと、山田洋次監督にはこういう映画を撮り続けていただきたいです。
平田家の居間には『男はつらいよ』のDVDがあり、ひなびた映画館ではリバイバル上映されていて、
庄太のフィアンセ憲子は家族会議で紛糾する平田家の様子を、
「マドンナがとらやのドタバタに癒される」のと同じように羨ましがったりしています。
うなぎ屋の兄ちゃんが『男はつらいよ』主題歌を歌うのはやり過ぎですが、
平田家の嫁が「うな丼の上」を注文したシーンでは、
なぜか「メロンネタ」のパロディー(実際には無かった)を期待している自分がいました。
でも、ラストは別の“名作”から流れを作っていました。まぁ、それもいいかもです。
映画は「平成の『男はつらいよ』」というには少し違和感がありまして、
どちらかというと、『男はつらいよ』から寅さんを抜いたような世界観です。
これについて長く書くつもりはありませんが、寅さんて微妙な魅力のある人でして、
皆、寅さんのことが大好きなんだけど、寅さんみたいになりたいという人は少ないんですよ。
(逆に『釣りバカ日誌』のハマちゃんに憧れる人は多いのではないかと・・・)
『男はつらいよ』は車寅次郎が主人公であることは言うまでもないですが、
実は寅さん以外の庶民たちの「普通の暮らし」というのが根本にあるんですよね。
で、そういう感覚を平成の家族(ちょっと今どきじゃないですが・・・)に置き換えたら、
こういう映画になりましたというのが『家族はつらいよ』ではないかと思います。
周造は無駄に偉そうなジジイでして、悪い人じゃないんでしょうけどね。
正直、私は苦手なタイプです。最近、こういう年配者が多くて、先日も迷惑しました。
私、年長者への敬意や感謝って必要だと思ってはいるのですが、
当の年長者から、それを当然のように要求されるのはちょっと違うんじゃないかな・・・と。
とにかく、周造はそういうタイプのおじいちゃんでした。
これを橋爪功さんが、敢えて申し上げるまでもなく好演なさってます。
長年我慢してきたけど、もう別れたいと妻に思わせる“程の良さ”のあるキャラクターです。
他の出演者も『東京家族』再結集で、これは「平成の山田ファミリー」ですか。
ところで、車寅次郎さんって、最後まで独身で終わっちゃいましたよね。
いろいろ理由はあるのでしょうが、一番は彼自身が「結婚しよう」と言わなかったことです。
(『ハイビスカスの花』では言ってたけど・・・。とか、細かい指摘はお控えください・・・)
なんだ、そんなことかと思われるかもしれませんが、これが大事なことなんです。
本作で、庄太は恋人にマンションの話を持ちだした後、ちゃんと言葉でプロポーズします。
周造は長年連れ添った妻に対して「いちいち言わなくても分かるだろ」という態度でした。
オープニングの「オレオレ詐欺」の件は、ただのギャグではなかったんですね。
ギャグの作りが落語調だったり、
シーンの“つなぎ”で出てくる「鉄橋を走る電車」や「最近の駅前風景」など、
映像にも「山田洋次節」が存在していることを確認することができます。
そして、こういう映画に安心して笑っていられることの幸せを感じることができました。
にしても、木場勝巳さんの声が渋すぎる!
あんな声でいられたら、いつまでもモテるんだろうなぁ。なんて思ったりして。
※なまはげさんへ:書きましたよ。これでどうです?
(上映中~:シアター大都会、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡)
公式サイト:http://kazoku-tsuraiyo.jp/
長男・幸之助夫婦と孫2人、次男・庄太(妻夫木聡)と3世代で同居をする頑固親父の平田周造。
ある日、妻・富子の誕生日を普段通り忘れていて、彼女に何か欲しいものはないかと尋ねると、
何と離婚届を突き付けられて、一家は騒動に・・・。という物語です。
結論から申し上げますと、山田洋次監督にはこういう映画を撮り続けていただきたいです。
平田家の居間には『男はつらいよ』のDVDがあり、ひなびた映画館ではリバイバル上映されていて、
庄太のフィアンセ憲子は家族会議で紛糾する平田家の様子を、
「マドンナがとらやのドタバタに癒される」のと同じように羨ましがったりしています。
うなぎ屋の兄ちゃんが『男はつらいよ』主題歌を歌うのはやり過ぎですが、
平田家の嫁が「うな丼の上」を注文したシーンでは、
なぜか「メロンネタ」のパロディー(実際には無かった)を期待している自分がいました。
でも、ラストは別の“名作”から流れを作っていました。まぁ、それもいいかもです。
映画は「平成の『男はつらいよ』」というには少し違和感がありまして、
どちらかというと、『男はつらいよ』から寅さんを抜いたような世界観です。
これについて長く書くつもりはありませんが、寅さんて微妙な魅力のある人でして、
皆、寅さんのことが大好きなんだけど、寅さんみたいになりたいという人は少ないんですよ。
(逆に『釣りバカ日誌』のハマちゃんに憧れる人は多いのではないかと・・・)
『男はつらいよ』は車寅次郎が主人公であることは言うまでもないですが、
実は寅さん以外の庶民たちの「普通の暮らし」というのが根本にあるんですよね。
で、そういう感覚を平成の家族(ちょっと今どきじゃないですが・・・)に置き換えたら、
こういう映画になりましたというのが『家族はつらいよ』ではないかと思います。
周造は無駄に偉そうなジジイでして、悪い人じゃないんでしょうけどね。
正直、私は苦手なタイプです。最近、こういう年配者が多くて、先日も迷惑しました。
私、年長者への敬意や感謝って必要だと思ってはいるのですが、
当の年長者から、それを当然のように要求されるのはちょっと違うんじゃないかな・・・と。
とにかく、周造はそういうタイプのおじいちゃんでした。
これを橋爪功さんが、敢えて申し上げるまでもなく好演なさってます。
長年我慢してきたけど、もう別れたいと妻に思わせる“程の良さ”のあるキャラクターです。
他の出演者も『東京家族』再結集で、これは「平成の山田ファミリー」ですか。
ところで、車寅次郎さんって、最後まで独身で終わっちゃいましたよね。
いろいろ理由はあるのでしょうが、一番は彼自身が「結婚しよう」と言わなかったことです。
(『ハイビスカスの花』では言ってたけど・・・。とか、細かい指摘はお控えください・・・)
なんだ、そんなことかと思われるかもしれませんが、これが大事なことなんです。
本作で、庄太は恋人にマンションの話を持ちだした後、ちゃんと言葉でプロポーズします。
周造は長年連れ添った妻に対して「いちいち言わなくても分かるだろ」という態度でした。
オープニングの「オレオレ詐欺」の件は、ただのギャグではなかったんですね。
ギャグの作りが落語調だったり、
シーンの“つなぎ”で出てくる「鉄橋を走る電車」や「最近の駅前風景」など、
映像にも「山田洋次節」が存在していることを確認することができます。
そして、こういう映画に安心して笑っていられることの幸せを感じることができました。
にしても、木場勝巳さんの声が渋すぎる!
あんな声でいられたら、いつまでもモテるんだろうなぁ。なんて思ったりして。
※なまはげさんへ:書きましたよ。これでどうです?