オザケン。
作業場で、作戦会議などをするなか見たのだけれど。じわじわと味わう、小沢健二…
五年前、彼の前でJポップ解体のネタをやり、最後は、打ち上げで当時出版したばかりの、拙著「一億総ツッコミ時代」をお渡した。(そんな機会をくれた、スチャダラパーのマネージャー加藤さん、ありがとう!)
僕にとっては、90年代に出現したどのアーティストより、彼のやったことはラディカルに映り、胸に響いた。道化に振り切ったなと。
でも、少々痛々しかった。その後“王子様”は普通の小沢健二になった。それでいいと思った。でも今度はスノッブになり過ぎて、やっぱり取っ付きにくくなってしまった。
僕は、オザケンが活動を休む1998年にデビューしている。
活動をしていくうちに、だんだん矛盾を感じ始めるようになった。
「俺、笑われてねぇな〜。」
笑われるのは嫌だったし。でも、あの頃のオザケンはどうだったんだろう?って。
腹が決まった。ちょうど時代がどんどん無責任に、おまけに他罰的で、ツッコミ過多な空気が蔓延し出していた。同じような気分でいたくないと凄く思った。で、件の本を出した。
オザケンは惑星じゃなくて、恒星だ。自分で光っている。勝手に。
オザケンの光が届く周回に入ったってことをありがたいと思う。