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ミッキーカーチスさんと。


二度目のお仕事。
ミッキーさんのお話は本当に面白い。硬軟織り交ぜた話題に、自虐ジョーク、歴史的なトリビア、猥談、現代批評、なんでもござれだ。で、ご自分の体験的知を平易な言葉で気取らず語ってくれる。無形文化財だよ、本当。


今ある芸能界にはもちろん“事の始まり”があったんだけど。日本の現代のショービジネスって、渡辺プロダクション(現ワタナベエンターテインメント)が起こしたもので、そこらへんも間近で全部見てきた方なわけですミッキーさんは。

時代の目撃者であることってなかなか無いし、意外とそれを見過ごしてたりする。ミッキーさんは、娯楽の王様は舞台や、映画、ラジオだったものが、いよいよ政権交代が始まり、テレビに移り変わるその頃を知っている。
今ある「芸能界」は、たった五、六十年前に作られたわけで、その前の芸能界はみなさんの知ってる芸能界じゃなかったんです。芸能界革命が実際に行われた瞬間があったんですよ。言ってみれば、江戸時代から、明治時代に変わるのを見た人の話を聞けるようなもんなんですよ、ミッキーさんの話を聞くっていうことこは!


僕は冗談の言える人が大好きです。
冗談を言う人は、人間のイヤなところを知ってる、または見つめることの出来る人だと思います。で、TPO的に実際口に出さないまでも、いつも様々な難儀な事柄を「笑う」ことで、決して逃れずに付き合っています。笑っちゃいけない場なんてものは本来ないんですよ、あらゆる事に。全部人間のやることは面白いし、おかしいし、味わい深い。

ミッキーさんは故立川談志師匠に師事した真打の落語家でもあります。
談志師匠は「講談は英雄になった四十七士を語り、テロに参加しないで逃げた浪士連中を語るのが落語」と言いました。人間は情けないもんだってことです。でも、それが人間だし、それを「いかがなものか?」なんて正論で斬るのではなく、バカだな~と笑ってしまう感覚。この感じが薄れてく世間がとてもつまらない。

ミッキーさんの生き方、言葉を聞くと、今の時代の、生真面目で、冗談の通じない人たちに、こんな人がいるんだよって教えたくなります。


これから何回ご一緒することになるかわからないけど、僕はミッキーさんみたいなトッポイ爺さんになりたいし、またミッキーさんの話を世間に届かせていきたいと思う。


「俺は電池で動いてる、頭はソーラーパネルだ。」


「それペースメーカーつけてるってことでしょ!それに今日天気悪いじゃないですか!」


「だから、今日は動きが鈍い。」


素敵な人だ。