デジタル庁として防災DXを推進する観点から「広域災害を対象とした避難者支援業務のデジタル業務改善に関する調査研究」を進めています。

 

令和5年度は2回開催しており、1回目は神奈川県西部地震と富士山噴火をシミュレーションに、相模原市緑区、小田原、南足柄、大井町、松田町、山北町、開成町が被災したというシナリオで、神奈川県、小田原市、南足柄市が実証に参加、小田原合同庁舎で行いました。2回目は今年2月28日に、横浜で、酒匂川流域の浸水、大雨による河川水位上昇と堤防決壊、山間部の土砂災害をシナリオとして行われました。

2回目は、試作したアプリに加え新たにLINEミニアプリを追加し、風水害の事前避難を想定した既存プロダクトとも連携、能登半島地震の課題を踏まえて「位置情報把握機能」も追加しました。

風水害の場合は、発災前の事前避難を適切なタイミングで促すことができるかが重要です。降雨量等から将来の見込みに沿ってどのアプリからでも避難所への誘導ができるように、データ連携の取り組みも検証されました。渋滞予測やハザードマップを活用した避難誘導が命を救う道となります。「水位が上がり始めている」「酒匂川の水位が一気に上昇した」「堤防が決壊した」など、それぞれのシーンに基づき避難所開設から、プッシュ型支援物資の受け入れまで、各作業が確認されました。

今回は、能登半島地震を踏まえ「孤立した避難者の位置情報把握」という新たな課題に「避難者自らが所在地を登録する」という方法で、物資の支給に役立たせる事が可能かどうかも、検証されました。

2回目もアナログで業務を行うシナリオと、デジタルを活用したシナリを比較していますが、マイナンバーカードで入所した場合は9割、時間が削減されたなど、業務負担軽減効果は明らかとなりました。

避難者役の方のコメントの中には「デジタルの力を使えば非常時に減らせるストレスがあることを知った」「今の時代は大体の人がスマホを持っておりアプリだとわかりやすい」「自分の情報が記録され、安心感を得る事ができた」といったコメントもあり、「位置情報を登録することで物資支給の支援に繋がるのが良い」「ペットのいる人やバリアフリーが把握できる」など「有事の安心」に役立つデジタルの特徴を実感いただけた実証実験だったことを感じます。災害発生時にも行政サービスと繋がっている安心感を防災DXで進めていきたいと思います。


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