ソウルに来ています。韓国国会議員会館で開かれた「未来志向の日韓関係を築く日韓外交を築く日韓外交フォーラム」には閔炳徳 (Min Byoung Dug、ミンビョンドク)議員と朴ヒスン(Park Hee-Seong、パクヒスン)議員が参加され、高村まさひろ議員と山本左近議員と共に日韓関係の未来について意見交換しました。




日韓の関係は「シャトル外交」と表現される通り、イ・ジェミョン大統領就任以降、石破総理時代に3回、高市総理になってから既に3回首脳会談が開催されています。二国間の人的交流は訪日韓国人が12025年に946万人、訪韓日本人は365万人と合計1300万人を超え過去最大になっています。

議員懇談会では、イラン情勢による石油供給の難しさ、国内政策における人口減少の課題、北朝鮮など幅広く率直な意見交換をしました。また、デジタル政策で韓国が日本に先行したのは「アジャイルでスピーディーな文化」があるからではないかといったことも話題になりました。

午後からは国家情報資源管理院(National Information Resources Service)のヒアリング。韓国でも省庁間でのインフラ重複投資が行われていましたが、最適なITインフラ、環境、運営の専門性を備えた国家データセンターとして構築されたのが国家情報資源管理院です。一括で予算編成・購入・統合しており、地方自治体とも1つの統合ネットワークで繋いでいます。

「知能情報化基本法」に基づき国家人工知能戦略を作成し「AI三大強国への飛躍」を目指していることが説明されました。ライバルはアメリカと中国だそうです。製造、医療、農水産、港湾、交通、文化・観光などでデジタル・AI技術を全面的に融合する計画があります。

デジタル包容環境の創出として、「AIデジタル学びの場」を増やし、移動が不自由な重度障害者を対象として情報化訪問教育を年2,200名に推進、障害者向けのカスタマイズ情報通信補助機器については年5,000台普及しているそうです。デジタル人材育成については韓国における総務省、厚労省、経産省、文科省、人事院などでそれぞれ分担されているようですが、デジタル・スキル・マップも話題になりました。

また、過度依存のハイリスク層の青少年を対象としたデジタルデトックスプログラムを全国18ヵ所、年間144回運用しており、5年間で36,000名が対象となっていると聞きました。過度依存回復専門カウンセラーは小中高の現場に投入されており、毎年1,000ヵ所へ拡大中とのことです。

さらに丁 秦 旭 (CHUNG CHINOOK チョン ジン ウク)議員の執務室をお借りしてスリープテックについてKTC(韓国機械電気電子試験研究所)とのミーティングも行いました。睡眠産業振興センターは政府の支援を受けて50種82台の装置を取り付けています。日韓国交正常化60周年記念事業としてKTC睡眠産業振興センターと日本の睡眠ヘルスケア協議会(SHA)は去年11月にMoU(協力覚書)を締結しました。年内には官民連携、国際連携を進め認証について具体的な協議を加速化させていきます。メディカル商品なのか、ウェルネス商品なのか、医療機器であるかどうかの判断の難しさは日韓共通しています。日本では届け出や表示がありますが、一定の規格に沿ってスリープテック産業を育てていくこと、市場のルールを作っていくことについて意見交換しました。日韓が主導して3年から5年かけてISO国際標準を作ることを目指したいと思います。



TICAD9フォローアップ会議がカイロで始まりました。アフリカ各国とアラブ各国から国会議員と国連機関、国際機関が集って人口と開発について議論する会議です。今回の使用言語は英語とアラビア語になります。オープニングセッションに登壇しました。

エジプトを代表するカサビィ議員は26年目の国会議員で、これまで何度も大臣のオファーを受けながらも議員一筋で人口問題や女性やこどもの権利、アラブ地域の平和に貢献されてきた方です。

ドクター・レイラはUNFPAのアラブ地域代表でアメリカで育ったグローバル人材ですが、両親共にパレスチナ人です。「私は安全だ」と言えることの難しさをスピーチで触れられました。多国間の枠組みをいかに有効なものにしていくか、難しい時代に入ってきています。

岩井大使からはTICADプロセスについてご紹介いただき、TICAD9を通じて民間セクターやスタートアップの参加がアフリカで活発になるだろうという見通しを説明されました。エジプトと日本の間ではUHCや大学教育プログラムなどで連携が進められており、女性や若者への投資の事例と言えます。

私からはTICAD9のフォローアップを議員が行う意義をお話ししました。国際会議は宣言をまとめて終わりではありません。実際の行動に移すプロセスで国会議員の役割が求められます。法律や制度の確立、予算の獲得、見直しや透明性の確保も含めて議員が関わることで宣言は意味を持つようになります。妊産婦死亡率は下がり、コミュニティは強化され、女性の教育や職業教育が推進されてきました。しかし、都市部と地方部の格差、気候変動の影響、人口増と農林漁業、食糧との関係など、課題は解消されているわけではありません。アフリカの課題解決には、イノベーションやAIを活用する時代に入り、日本がパートナーとしての存在感を示す分野とも言えます。エジプト現地メディアからのインタビューも受けましたが、テクノロジーについての質問もあり、関心の高さを感じています。

国際会議を時間通りに回すのは簡単なことではありません。しかし、コーヒーブレイクの間のネットワークも重要です。中東情勢についても話題になりました。エジプトでは既にスーダンからの難民を受け入れていますが、更にガザからの医療難民が入国することになった場合、医療システムを強化しなければならなくなります。隣国としての寛容さを感じながらも、抜本的な平和へのプロセスを進めることも重要な議員外交であると実感するカイロでの会議です。


GEM(ジェム、大エジプト博物館)でJICAと日本の専門家からのご説明を聞かせて頂きました。日本のODAがどのように有効活用されているかを知るためです。



三代ピラミッドが位置するギザ地区に世界最大規模の博物館として建設されたのが大エジプト博物館です。総事業費約1400億円のうち約半分の842 億円を日本は円借款で供与しています。円借款ですので2006年に第1期として348億4,000万円、2016年に第2期として494億1,000万円、それぞれ年利1.5%と1.4%、償還期間は30年と25年で、エジプトから日本に戻ってきます。

海老澤JICAエジプト事務所長のお話によると、開館式典でエジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領が各国首脳らの前で「この壮大な文明事業に大きく貢献した友好国の日本の多大な支援に厚く感謝する」と「日本だけ」名前を出して謝意を示されたのだそうです。




大エジプト博物館の展示には日本語の解説もついていますし、日本からの影響もあり視覚障害者も楽しめる工夫が施されています。



日本からの技術的な支援は長年にわたって続けられ、日本人150人が2000人をトレーニングしてきました。船の復元のお話もうかがいましたが、他の国が撤退する中で日本だけ残ってサポートしています。古代エジプトの謎を解き明かす日本人と日本の技術の存在を私は誇りに思っています。





王様の使っていた、ふんどし、サンダルなども発掘されています。







「ミトン(手袋)」と解釈されていたものを見た日本人が「これは手袋ではなく、靴下ではないか?」と発見したのだそうです。草履型のサンダルがあるならば、足袋型の靴下があってもおかしくないはずだ、と解釈されるにいたり、今では「靴下」として掲示されています。

このように古代エジプトのミステリーは多くの日本人研究者によって解き明かされてきています。

ただしミイラの研究センターでは、誰もいないのに、人影センサーが反応することがあるのだとか。まだ解き明かされていないミステリーが残っているのかもしれません。