国際協力調査会。「国際協力政策の潮流と日本のODAに期待すること」をテーマに上智大学の小松太郎教授とセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの西崎萌・ガバメント・リレーションズ・エキスパートからプレゼンテーションをいただきました。

MDGの目標は、2015年までに「すべての子どもが初等教育の全課程を修了できるようにする」

SDGの目標は、2030年までに「すべての人に包摂的かつ公正で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」

となっています。

世界中で6億人が基本的よみかき計算がまだできていません。また、2億5千万人が何らかの理由で学校にいけないこども達です。理由としては、紛争、難民、女子であることなど。基礎教育がまだ行き渡っていない状態です。

教育の保護的役割として、安全教育についてもお話をいただきました。

・地雷・不発弾に興味を持って爆発させてけがをしないようにする

・健康教育を通じて、安全な水へアクセスできるようにする

・武装組織によるリクルートメントを回避する

・安全な学習環境と遊びの場を作る

・日常を取り戻すために大人が家を再建している間、こどもは学びの時間を持つ

など。

緊急下の教育は、人間の安全保障、平和の礎になる、ということのみならず、児童婚を避けられるという学校が果たしている意義もあります。難民・避難民、紛争・災害の影響を受けた人々の保護、および紛争予防・平和構築のための教育を意識していきたいと思います。

岸田総理は第77回国連総会一般討論演説で「私は教育は平和の礎という信念のもと、「教育チャンピオン」に就任し、・・・人づくり協力を進めます」と宣言しています。

現地で義足の技術を展開させる、電子技師を増やしていく、職業訓練校をサポートする、紛争地域でも見られている日本の漫画を活かす、こうした日本が強みを持っている分野から貢献できることもあるのでは、といった提言もありました。

教育施設での女子トイレの整備含めて、ハード面での協力も重要ですが、ソフト面として、理数系の教科書を作るにあたり、こどもが興味を持つような教材作りに日本の経験が活かされているエルサルバドルやミャンマーの事例もあるそうです。信頼関係があるからこその国際協力と言えそうです。