月面着陸に成功した小型探査機「SLIM」に地元小田原の企業、株式会社コイワイさんが参画しています。【型にはまらない鋳物屋】として技術を磨く現場を訪問しました。水上バイクのエンジンや新幹線のブレーキも製造しているコイワイでは、3Dプリンターを活用して「宇宙ステーション補給機、こうのとりの小型回収カプセル」を製造するなどJAXAのミッションにこれまでも関わってきました。

今回「SLIM」に搭載されたのは「衝撃吸収材」で、半円球に網目が何重にも施された構造で高い技術力が求められるものです。JAXAからの要請に応じて網目の種類を変えたり、形を変えたりと試作を重ねてきたといいます。

鋳物の中核を担ってきた自動車産業もEV車の普及等で大きく変化する中、オンリーワンのものづくりが強みになってくると思います。そしてそれを支える高性能の機械と、それを使いこなす人が必須です。新しい製品作りに情熱を傾ける方々の姿に触れ、宇宙分野で日本がリードしていくことで、日本のものづくり企業の技術が活きてくることを実感しました。