国際協力調査会では昼はまず新しいODAの仕組みについて大野泉政策研究大学院大学客員教授から「開発のための新しい資金動員(サステナブルファイナンス等)」についてお話を伺いました。フィランソロピーの部分と、リターンを見込む部分と、各国のリスクアセスメントを行いながら官民でファイナンスのあり方を議論する必要があります。このテーマでの会合はまだ続きます。

夕刻は、益益PTで特定非営利活動法人アフリカ日本協議会の稲葉雅紀共同代表からお話をうかがいました。本格的パンデミック時代にルールメーキングのプロセスが進んでおり、問われているのは「公平性」とのこと。ワクチンをどのように公平に配分するのか。実際にコロナで最大の被害を受けたのは低所得国・中所得国(=グローバルサウス)と言われており、所得のある国でも欧米ワクチンを買い負け、中国ワクチンに頼らざるを得なかった現実があります。製造はアウトソーシングされていても、そのまま欧米に逆輸出されている実態に、外交力が向上したアフリカ連合が「技術移転・製造能力強化」をアジェンダにしてきています。

日本の技術は世界から期待を寄せられており、ポリオ、麻疹、風疹ワクチン製造技術の支援をインドネシアやベトナムで実施してきました。ベトナム国内で高品質で安全性の高いワクチンの供給が可能になっただけでなく、インドへの輸出も実現しています。知財や特許含めて日本企業のプレゼンス等は検討課題ではありますが、あらゆるワクチンの99%を輸入に頼るアフリカが、域内でワクチンを生産できるように支援を続けていくことが重要だろうと思います。また、良いものを作っても、世界マーケットに売り出す時には海外の企業に頼ってしまうことで日本製であることが伝わっていないケースもあり、勿体無い状態になっているので、ここからはメイドインジャパンを世界に売っていく戦略を練っていきたいと考えています。