国際協力調査会で中東情勢とガザ支援(UNRWA)について外務省のみならずJICA、WFP、UNICEFからヒアリングを行ったのは2月9日。テロ攻撃に関与した疑いのある職員が発覚したことを受け、日本は資金拠出の一時停止を決めました。UNRWAグリフィス事務次長は「一部の個人の行動で住民が危険にさらされるべきではない」と発言、グテーレス事務総長も「UNRWAはガザの人道支援の屋台骨」として支援の継続を要請しています。ノルウェーは支援を続けていますが、イスラエルは他の機関が代替すべきと主張しています。独立調査団は2月5日に立ち上げられましたが、最終報告書が公表されるのは4月末です。JICAではUNRWAではなく新赤月社を通じた物資の搬送を行なっていること、WFPやUNICEFが専門性を活かした支援を進められていることも報告されました。

そして今日、一時帰国中のUNRWA医療局長の清田明宏先生から直接お話を伺いました。以前オンラインでもお話をうかがっていましたが、刻々と変化する現状を「これほど酷い人道危機は見たことがない」という表現で伝えられました。62万5000人のこどもが教育を受けられず、36ある病院のうち13の病院が部分的にしか機能しておらず、救急車の損壊は122車両、そして、300人以上の医療関係者が既に亡くなっています。包帯、ガーゼ、手術用のグローブ等の医療用物品はいくらあっても足りません。世界の栄養失調の8割はガザで発生し、500人で一つのトイレ、3000人で一つのシャワーしかない劣悪な衛生環境です。一つの避難所で2万人の収容は既にキャパシティを超えており、感染症、下痢、呼吸器感染症も増えている、と言います。現在ガザにはモノが入ってこないので、物価は10倍にも跳ね上がっている状況です。停戦を目指し、物資をしっかり入れていくこと。「安全なところはどこにもない」という言葉を重く受け止めています。