自民党国際協力調査会で、トルコ南東部を震源とする地震被害に対する国際緊急援助隊・医療チームの派遣についてヒアリングを行いました。

医療チームを率いた井上潤一先生はDMAT発足にも寄与されたドクターで、国内外あらゆる自然災害への対応にあたって来られました。国際救急医療チーム(JMTDR)には年2回の訓練を受けて約1000人の医師等医療従事者がボランティアとして登録されています。今回、登録されたメンバーのうち2割の方が現地に行って下さったことになります。

トルコは東日本大震災の時に最後まで援助隊を置いて下さった国の一つとされており、今回は即日、日本からトルコへ国際緊急援助隊を派遣することとしました。パキスタンにあるトルコ向けの災害救助物資(テント等)の輸送をNATOと連携して実施したことも「画期的」なことでした。

医療チームでは多い日で一日100名以上の患者が来院し、のべ約2000人を診察しました。夜間診療も行われました。今回「初めて」のことがいくつもありました。

まず、タイプ2の派遣が「初めて」。タイプ1は巡回診療、外来診療の機能のみを持ち、タイプ3は高次機能病院となっています。タイプ3を派遣できるのはイスラエルと中国、また一部の民間団体と言われています。

今回日本が派遣したタイプ2は病院機能としては入院や外科・産科の手術が可能なもので、電子カルテもテント内で活用されました。

自衛隊輸送機が医療チームの活動に必要な資機材を輸送したのも「初めて」。民間機で運んでいた時にはトランジット時に荷物を紛失することもあったそうですが、今回は早期展開が可能であったとのこと、大きな意義があったと思います。

また、地震で怪我をされた方のリハビリも進めることで、寝たきりになってしまう事態を避けることもできた、というお話も伺いました。多様な医療従事者と共に、トルコの医学生やボランティアも(新宿のケバブやさんも!)一緒にチームとなって対応にあたられた様子もスライドと共に見せて頂きました。

かつては日本が支援をしていた東南アジア等の国の医療チームのレベルも上がってきて、今回対応にあたられていたそうです。被災国ではタイプ2またはタイプ3のレベルが期待される時代になったからこそ、日本が「呼ばれるチームであり続けるために」サポートを続けたいと思います。