午後は国防省の下に設置された通信情報局へ。NISCのカウンターパートにあたるサイバーセキュリティセンター(ACSC)を訪問しました。オーストラリアはファイブアイズの一翼として高いインテリジェンス能力を持ち、アクティブサイバーディフェンスにも取り組んでいます。またレッドスパイス計画によって100億オーストラリアドルの予算をサイバーセキュリティに配分するなど力を入れていることが分かっています。アメリカやイギリスとの情報シェアは進んでおり、機密レベルの高い情報をいかに早く共有するか、が鍵であると、このミーティングを通じて感じました。ASCSセンターのボッピング・センター長代理の案内で電子機器の持ち込みが禁じられた場所で見せて頂いたのは「knowledge wall」というもの。サイバー攻撃についての情報収集が進められている事が一目で分かるようになっており、攻撃をトリアージし優先順位を付ける、という概念が可視化されています。



続いてのミーティングは内務省で。戦略イニシアティブ担当のアブロング副次官の他、オンライン外国干渉対策及び偽情報の担当者やサイバーセキュリティ戦略の担当者などからも横断的に話を聞き、議論をすることができました。民主主義プロセスへの脅威に対峙する、という姿勢も伝わってきて、サプライチェーンも意識したセキュリティ戦略の更新については、意を同じくするものでありました。ランサム攻撃への対処(支払いをしない、という事も含めて)やダークウェブでのオペレーションなど具体的なディスカッションもでき、G7議長国としての日本の役割も重く感じました。