今回、選挙活動を行う中で、選挙におけるデジタル化の必要性についても多くのご意見を頂きましたし、改めて痛感する場面がありましたので、記憶がフレッシュなうちに、いくつか項目を残しておこうと思います。

 

●ネット投票

 

選挙のネット投票へは多くの要望の声が集まっています。なりすまし防止など、本人確認の徹底が担保できるかが一つの課題ではありつつも、既に在外投票でのオンライン化については実証実験のフェーズに入っています。特にコロナの影響もあり今回の選挙はいつも以上に在外邦人の投票は難しいものでした。「ネット投票はどうしたら実現できるか」という視点で議論を重ねていきたいと思います。

一方、若者の投票率については、「わざわざ」投票所に行かなくてもスマホでできれば若い世代にも投票が身近になるとは思うものの、「ネットで簡単に投票できれば上がる」と単純に結論づけられるものでもないかと考えます。

 

今回、体が不自由で外出が困難だが、「郵便等による不在者投票」の対象には該当しない方からの問い合わせがありました。(上肢、下肢で障害の程度で郵便投票の対象が括られています)どうしても投票を行いたいので、早くネット投票を解禁してほしい、という切実な訴えでした。このネット投票は「世代の話」に帰結させてはならないと感じています。

世代に関係なく、「投票をしたいけれど投票所に行けない・行きにくい」という思いを、今ある郵便投票や在外投票などの方法以外にしっかりと担保できる準備を進めていきたいと考えています。

 

●証紙貼り

 

選挙の風物詩とも言える証紙貼り。選挙事務所を手伝った人にはわかってもらえても、一般の方には伝わりにくいのが証紙貼りです。候補者(もしくは政党)が、配ることのできるビラの枚数、貼ることができるA1サイズのポスターの数は決まっています。経済力のある人だけが膨大にビラを印刷することが出来る、といった事態を避けるため、選挙期間中に各候補者が頒布や掲示できる枚数は一律で同じとされています。

候補者として選管で届出が済んだ時点で、「証紙」というシールがどの候補者にも一律配布され、それを事務所に戻って、ビラやポスターに手作業で貼っています。あまねく全ての候補者の事務所が行っています。例えば個人ビラだけでも7万枚。一枚一枚にシール型の証紙を貼り付けるのです。証紙がついていなければ配布することができないので、街頭活動でいちはやく配るためには必死で貼ります。1枚無駄にすると1枚ビラが配れなくなるため、神経をすり減らし、作業を行うのです。

「証紙」を手で貼る、という以外に、デジタルツールを活用して、同じ効力を発揮する方法がないのか…毎回考えてはいるもののまだ答えは見出せてはいませんが、広く意見も聞きながら模索したいと思います。

 

●調査票

 

選挙となると、メディア各社から調査票やアンケートが大量に届きます。もちろん、多くの有権者に正確に情報を受け取っていただき、候補者を知って頂くためにも、アンケート記入と提出は重要です。各社のご判断とは思いますが、まだ手書きで提出しなければならないところもあるのは事実で、データでやりとりできる日が早くくることを願っています。