自民党「児童の養護と未来を考える議員連盟」及び超党派「児童虐待から子どもを守る議員の会」合同勉強会を開催しました。今なお児童虐待の事件が無くなりません。国会開会中は毎週議連を開催して情報共有、提言、進捗確認をしてまいりました。

児童相談所の設置について、管轄人口が適正でなかったことを議連としては強く指摘してきましたが、令和541日からは「基本としておおむね50万人以下」とすべきことを政令で規定、今後も不断の検討を行うこととなりました。細かい網の目で子ども達を見守れるようこれからも働きかけていきます。

また一時保護の手続きについては、子どもの権利擁護を基本に据えた司法審査を提言、常勤弁護士を配置している先駆的児童相談所等の意見を聴くことを求めてきました。現在、厚生労働省は弁護士配置に係る人件費を補助金で支援していますが、来年度概算要求ではパラリーガルの配置費用も計上しています。

さらに人材の質の向上について、議連では「子ども家庭福祉士(仮称)」の国家資格化を目指してきました。厚労省のワーキンググループでも「資格の創設を検討すべきである」と提示しています。今後、具体的な制度設計案が提示されていく予定です。

ケアリーバー(社会的養護解除者)のための制度整備、社会的養育行政におけるデジタル・トランスフォーメーションの強力推進についても提言を提出してきました。自立支援コーディネーターの配置に対する費用の加算を創出することも検討されています。

私は、転居等によって要保護児童の情報が自治体間でタイムリーに共有されなかったことを重く受け止めてきました。児童相談所と市区町村で情報共有を行うことができるシステムを本年度から運用開始しました。91日からは、全国の児童相談所において、このシステムを活用した行方不明情報・転出入情報の共有も開始されています。AIを活用した緊急性の判断に資するツールの開発については、本年度に仕様を確定すべく準備が進められています。

児童相談所や一時保護所の第三者評価は努力義務となっていますが、それぞれ5%、31%の実施率となっています(令和241日現在)。イギリスのオフステッドに類する評価機構の創設についても、今後検討課題である事を確認しました。

まだまだ論点はありますが、一つずつ現場の方々や専門家の方からもヒアリングをしながら議連の勉強会を重ねてきました。塩崎恭久会長はこの度ご勇退を決断されていますが、引き続きご指導を賜りながら、児童虐待から子どもを守り、児童の養護の体制を強化していきたいと考えています。