新幹線のバリアフリー化を視察すべくJR東海の皆様にご協力頂き、新横浜から東京まで最新型の車両に乗せて頂きました。地元でも実際に車椅子で新幹線に乗られる方に課題など聞かせて頂いてきました。今日は青年局の講師としてお招きしたパラリンピアンの上原大祐さんにもご同行頂き、私も車椅子で乗車しました。




車椅子で乗車される方が6人乗れる車両が出来ました。このような車椅子マークがついています。パーキングスペースとは違うので、このマークに違和感を持たれる方もいるかもしれない、という指摘は青年局の会議でも挙がっていたのですが、荷物を置いてしまう方などが出ないよう、各社同じようにマークをすることになったそうです。


工夫された点は、この自動ドアです。車椅子スペースをセンサーが感知して扉が開いてしまうのを防ぐため、センサー稼働範囲が敢えて狭められています。車椅子スペースが通常より、やや中心の廊下部分に出ているため、扉も全開になると車椅子に乗っている方とデッキにいる方がお互いに顔を合わせることになってしまいます。それを避けるために、自動扉は2段階で開くように設計されており、まずは途中まで、その後1.75秒待つと全開となり車椅子でも通れる広さが確保される作りになっています。

車椅子から椅子に移動できる座席も、横幅を10ミリ削って車椅子を停めておけるようにスペース確保の工夫がされています。ほんのわずかですが、ひじかけも細くなっています。更には窓ぎりぎりまで座席を寄せている為に座席の回転は少し斜めにまわるよう芯をずらす構造になっています。座席シートの布も少し薄くしてあると説明を頂きました。あらゆるところに日本の匠の技を感じます。横幅が狭くなっても縦幅はゆったり取ってあるのですが、その分テーブルが座席から離れてしまう結果に。上原さんの実演により、その距離だとお食事やパソコン作業は難しいかもしれない、との気づきもありました。

ホームの乗降は幅、高さを狭める工事を車椅子乗降口付近だけでも進められれば、タラップ無しでも乗り降り可能なことも実証できました。
課題はユーザーから今後も出てくると思いますが、どなたにとっても新幹線の旅が快適なものとなるよう、青年局としても意見交換を続けていきます。