日本による対コートジボワール経済協力の基本方針は、「持続的な社会の安定及び経済社会開発の促進」にあります。内戦で生じた、市民と行政との対立を融和へと導くには、警察や司法の強化も必要であり、日本は支援プロジェクトを組んでいます。国営新聞などのデジタルアーカアイブ機材整備計画やアビジャン海洋科学技術学校機材整備計画も、進められています。
また、健康な社会の推進のために、妊産婦・新生児継続ケア改善プロジェクト、ココディ大学病院整備計画(協力準備調査)も実施中です。
大変温かな歓迎をいただきました。
ココディ大学病院は1970年に建設され1996年に日本が無償資金協力により整備改修しました。年間、4500の外科手術、7500の分娩例がある、450床の大きな病院です。日本の協力で母子保健棟を建設し、病院を拡充させる事で、母子保健サービスが改善される事が期待されています。
日本へはインフラだけでなく、ソフト面、救急外来などの技術支援へのお礼の言葉も述べられました。医師数は400人ですが、エレベーターが止まっていたりなど各病棟への移動も大変で、機能を一箇所にまとめた母子保健棟の重要性を痛感しました。キャパシティの関係から、出産後6時間で退院しなければならない状況です。
赤ちゃんの4分の1は未熟児で産まれ、妊産婦にマラリアやHIV感染があると、新生児も7ヶ月、1200グラム程度で産まれてきます。日本が支援した新生児ケアの器具は、従来3日間かかっていた集中ケアが6時間に短縮でき大変助かっている、との言葉がありました。感染症予防の観点から、家族は病室の外で待機します。
コートジボワールは、周辺国からも移民が集まって来ており、特に西アフリカでは中心的な役割を果たす必要がありますが、依然として、国民皆保険制度を作っている最中であり、保健分野の草の根・人間の安全保障無償資金協力は重要です。