人生は3ステージで構成されているのか。教育、仕事、引退というシンプルなステージ分けが通用しなくなってきているのかもしれない、そんな危機感があります。オックスフォード大学のカール・フレイとマイケル・オズボーンの研究(2013年)によればテクノロジーの進歩に伴い向こう10年から20年程度の間にアメリカの雇用の47%が消失する恐れがある、と言われています。生涯を通じて様々なキャリアを経験する、マルチステージの人生の実践を意識しなければならなくなっています。
1日を、仕事8時間、休息8時間、余暇8時間と3つに分けて考えられるのか、通勤に2時間かかっているなど空き時間不足を感じている現代人の姿もあります。余暇の時間は週40時間から45時間あると言われていても、レクリエーション(娯楽)から自己のリ・クリエーション(再創造)へと意識をシフトさせる事も重要です。
トーマス・ホッブズは「人生は不快で残酷で短い」と述べたそうですが、この人生が100年に延びようとしている。100歳まで生きるとなったら、毎年所得の10%を貯蓄し、引退後は現役時代の50%程度の暮らしにするとしても、80代まで働かなくてはならないかもしれない。長寿化への適切な準備が求められています。
長寿化時代に人生の選択肢は広がりますが、相変わらず融通が利かない要素が一つある、それは女性の妊娠可能年齢です。
多様な働き方と生き方を選べるようになる100年ライフの果実を手に出来るかどうか、考えさせられる一冊です。
{11ADF86D-68A0-4F39-9810-BF09801F7620}

『ライフシフト-100年時代の人生戦略-』リンダ・グラットン/アンドリュー・スコット著、池村千秋訳。
400ページの本ですが、おすすめします。