日銀の「地域経済報告ーさくらレポートー2014年10月」が出ました。
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今回の特集は「各地域における観光振興に向けた取り組みと地域経済への影響」で「各地域における最近の観光需要の動向をみると、大方を占める国内観光客が堅調に推移する中で、外国人観光客が大幅な増加を続けているため、全体としては緩やかながら着実に増加している」との動向が示されていました。
最近の観光需要の特徴としては、各所旧跡事件物等の従来型観光に加え、地元の自然や伝統文化・産業などを体験したり、スポーツやアニメ関連のイベント等への参加を目的とする体験型・交流型観光を志向する観光客が増加しているとの声が多く聞かれています。
更に調査によると、外国人対応のスタッフの採用や複数言語での情報発信強化等の多言語対応、通信・決済インフラ(Wi-Fi、クレジットカードでの決済等)の整備・拡充といった外国人観光客を意識した企業レベルの取り組みが、近年、一段と広範化しているようです。
同時に、国際会議や学会等のMICE誘致を積極化する事例が多くみられ、観光客の回遊や相互送客を促す目的で地域内や地域間での連携を進める動きも広まっています。
観光が私の地元の重要な産業です。現場の皆様にも情報をシェアし一緒に考えて頂くべく以下記しておきます。
*観光需要増加を起点とした企業収益等への波及
小売業者等でも免税品や地場産品・土産物売上が増加しているなどの声が多く聞かれる。中でも免税品は、”Made in Japan”に対するニーズが強い外国人観光客が積極的に購入する姿勢を示しているため、店舗全体の売上を下支えしている事例もみられる。

雇用・所得面では、観光需要の増加に伴い人手不足が一段と強まっており、新規採用の拡大に加え、女性や外国人の積極活用、従業員に対する処遇改善、人材育成の強化等に努める事例が数多くみられる。

こうした一方で、観光客のニーズを十分に取り込めていない地域や企業では、苦戦が続いているとの指摘が聞かれており、波及効果も限定的となっている。

<地域の具体的事例>
・温泉旅館の一部では、団体旅行減少等の需要構造変化への対応の遅れもあって弱めの動きがみられる(函館、金沢)。
・地方圏では、観光資源等を活かして観光客の入込み増加に成功している地域がある一方、目新しい話題のない観光地では、盛り上がりに欠ける地域もあるなど、二極化している。
・富士山の世界文化遺産登録効果に伴う外国人観光客の増加により賑わいをみせている地域と、そうした効果を享受できない地域に二極化(甲府)。
・アニメファンが「聖地巡礼」と称して舞台となった地域をめぐる旅行需要が強まっており、集客効果は大きい(金沢、横浜、京都、大分、熊本、水戸、本店<埼玉>)。
・アクティブシニアの増加や雇用・所得環境の改善を背景に、ワンランク上のプランやツアーが好調なうえ、ハイクラスの客室も高い稼働率となっている(釧路、札幌、仙台、福岡、那覇)。
・欧米の館顧客は、寺社だけでなく、祇園の街並みや日本人の生活文化に関心を持つ人が多く、最近は自ら予約して空き町屋に宿泊する観光客が増加しているため、「家風呂」や「畳敷きの部屋」、「布団」などが観光資源となっている(京都)。また、茶道と着物の着付け体験をセットで行うプログラムの人気が高い(京都、本店
<東京>)。

以上の様に二極化が進んでいる、と指摘されている通り、観光客のニーズがつかめていないとこれからの観光地は苦戦する、という事も肝に銘じ地元の方たちと方向性を打ち出していきたいと思います。

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