フランクフルト・ライン・マイン手工業会議所にてマイスター制度のお話をうかがいました。
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マイスターになるには、15歳で3年間の見習い期間に入り、その後4年から8年の経験、又は1年から2年の訓練コースを経て、マイスターの試験を受けます。マイスターの試験には満を時して挑戦しますので、合格率は90%、だいたい25歳、26歳位でマイスターの称号を与えられることになります。
試験は経営学、指導能力、論理的試験と実演が課せられ、時代に即した試験問題になっています。毎年約23000人のマイスターが誕生しており、その内開業する人が45%、管理職に就く人が38%など完全に雇用されています。マイスターには学士、つまり大学卒業の資格と同じ重みがあり、尚且つ即戦力なので、企業も大学卒業者よりマイスターを雇いたがる傾向もあるといいます。
親の代の事業を引き継ぐ後継者であってもマイスターの資格は必要です。この点は、日本でも見習うべき姿勢かもしれないと感じました。職人さんに経営能力も求められているので、開業又は事業継承をする事ができ、マイスター企業への信頼が保たれています。
教育制度の点から言えば、普通高校に行かなくても、大学に進学しなくても、職人としての道を極め、ものづくりの権威として社会から認められていること、それがマイスターであり、ものづくり国家、日本でいかに応用するか、課題が少しずつ見えてきました。
業界として技術を次の世代に伝えていくこと、新しい研究開発を常に進めていくこと、その経験と知恵を分かち合うこと、「社会的パートナーシップ」というマインドが500年の歴史を誇るドイツのマイスター制度を支えています。

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