東京都の陽性率がしれっとすり替えられていた | renormalization

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再規格化(くりこみ)

東京都は5月の上旬から次のサイトで新型コロナの検査での陽性率を発表するようになりましたが、

6月1日の更新で、5月7日以降の値が大きく変わりました。

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

 

●5/29日時点

●6月1日時点

 

 

この大幅な修正は次の記事が報じられたことが大きく関係していると思われます。

“消えた”東京の陽性者162人 保健所と医療機関の報告に差

https://www.tokyo-np.co.jp/article/32226

 

簡単に説明すると、5/7日以降、保健所を介して報告された人数が医療機関等から直接報告された人数より162人少なくなっているというものです。

 

東京都が発表している陽性者数は3種類あって、判明日別陽性者数と確定日別陽性者数と公表日別陽性者数があります。

それぞれは次のように定義されています。

 

●判明日別の陽性者数 

検査結果の判明日を基準とする。

(これが陽性率の算出に用いられています)

●確定日別の陽性者数 

患者発生の動向をより正確に分析するため、各保健所から報告があった患者の発生情報を、PCR検査により陽性であることを医師が確認した日別(確定日別)に整理したものである。

●報告日別の陽性者数 

保健所から発生届が提出された日を基準とする。

(17時より早い時刻に発表しているので、これは正しくないと思われます)

 

5月31日時点ではそれぞれ次のような値でした。

 

 

 

 

報告日別陽性者数の値だけ1日ずらしてあります。(5月29日の値は実は5月30日の値です)

判明日別陽性者数の累計と確定日別陽性者数の累計の差は5月30日時点で約200人もあります。

この結果はそれらの意味からして明らかにおかしいです。

 

こういった点をtwitterで指摘していたら、6月1日に陽性率がしれっとすり替えられていました。

それを算出するための判明日別陽性者数と判明日別陰性者数の値もびっくりするほど大きく変わっていました。

すり替えらる前後での値は次のようになっています。ここで、B列が判明日別陽性者数で、

C列が判明日別陰性者数で、G列を二桁で表したものが発表されている陽性率になります。

 

●5月30日時点

 

●6月1日時点

 

 

各陽性者数は次のように変わりました。

 

 

 

 

すり替わった後でも、5/7以降の判明日別の陽性者数の累計と確定日別の陽性者数の累計には

6月1日時点で40人の差が生じています。 

また、次の表をみると、5/25~5/31での判明日別の陽性者数(B列)の合計は116人ですが、

確定日別の陽性者数(C列)の合計は83人しかいないことがわかります。

先週1週間で30人ぐらい公表されていない陽性者がいる可能性があることを意味します。

相変わらず、かなり出鱈目です。

 

 

 

東京都のサイトの陽性率の注には、

「速報値として公開するものであり、後日確定データとして修正される場合あり 」という説明がありますが、

これだけ大幅に値が変わったのであれば、東京都はその理由をきちんと説明すべきでしょう。