SIRモデルでの接触削減介入による回復者数(免疫獲得者数)の集団の人数に対する割合の変化 | renormalization

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再規格化(くりこみ)

 最近、免疫検査での陽性率が話題になっているので、接触削減介入によって回復者数(免疫獲得者数)の集団の人数に対する割合がどのように変化するのかをSIRモデルで調べてみました。

 

 今回はすべての計算において、回復率γを0.1/日、時刻 t=0 での感染者数の集団の人数 N に対する割合 I(0)/N を0.000001としてみました。

 まず、基本再生産数 R0 を 1.8 として、介入がなかった場合の結果です。

 

 

 ここで、I(t)/N は時刻 t における感染者数の集団の人数 N に対する割合で、i(t)/N は時刻 t における1日あたりの新規感染者数の集団の人数 N に対する割合です。グラフでは day をかけて無次元量にしてあります。また、 R(t)/N は時刻 t における回復者数(免疫獲得者数)の集団の人数 N に対する割合で、この場合、最終的には 70% 以上の人が免疫を獲得することになります。

 

 次に、R0 = 1.8 で、接触削減をした場合の結果です。今回の計算では、すべて 90日以後から 7割の接触削減の介入を続けたことにしています。

 

 

 

始めの図と比べると縦軸の目盛りの間隔が 1/100 倍になっています。この場合、最終的には 0.5% 程度の人しか免疫を獲得できないことになります。

 

最後に、R0 を 1.7 、1.8 、1.9 、2.0 と変えた場合の結果を示したいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これらの結果より、基本再生産数 R0 の値のわずかな違いでも、最終的な回復者数(免疫獲得者数)の集団の人数 N に対する割合は大きく変わることがわかります。