レースレポつづきます。
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馬返し到着が1時間09分。
かなりきわきわながらもまだ一縷の望みありと、いつもなら一息つくバス停の脇をそのままのペースで進みます。
ここが三つ目の給水ポイント。横目で眺めるとレモンや塩タブレットが。一瞬手を伸ばしかけながらも、その後の渋滞を回避しようと心を鬼にしてスルーを決断。
幸いポッケに塩タブレットはあるし、ジェルの補給食もまだ手付かず。そして今回はこのときのためにソフトフラスクを用意してあるのだ!(わはは)
さあさあ、そんなわたくしめは先に行かせてもらうでゴザルと、少しずつ険しくなる山道をとことこと上り始めます。
※YouTubeより
がしかし、なんとなく気が付いてはいました。
試走の時と比べると足が重くて全く歩けん!!
そりゃ当然その時と比べれば身も心も全力でしたし、これまでの中でいっちゃん暑いし消耗具合は格段の差。
も、もしかして、
コレ
攣るんじゃね?
右太ももあたりに感じ始めていた違和感がじわじわと足を覆いつくし、気が付けばそれが両足に広がり、あかーん!と思ったその瞬間、あっさり両足攣りましたw
こういう場合はいつもなら歩いて少しずつ緩和させるところ、うまい具合に←その区間は一番渋滞するゾーン。延々とつづくランナーたちの列にぴたっと止まって動きゃしねー!
そうしている間にまたじわじわと痙攣がこみあげてくる恐怖。やっべーここで変な動きをしたら、歩くどころか倒れっちまう、と半べそをかきそうになっていたとき、
後ろから女性(二人くらい)の声が聞こえ、耳を澄ますと、
「遠慮してたら、間に合わないよッッ」(原文のママ)
おお、おう、たくましいのが上がってきたなーと、パスしていく姿を横目で見ると、なんとそこには世界のmieちゃま!!そうして、列の横から側道をガシガシのぼっていくでないの!!
いったいどこで抜かしたやら(mieちゃまはAブロック)、すっかり前を走っていると思っていたので、その登場にドびっくり!
「mieちゃま、イケイケ!」とかなんとかわたしは言って、mieちゃまも「みやみさん!」と声かけしてくれましたが、ここが生死の(?)分かれ道。ここが今生の別となりました(レース後会ったけど)
誤解を恐れずにいうなれば。(こればっかだな)
mieちゃまの行動は「レース」においては、至極まっとうな走り方だとおもいます。
渋滞=列になっているので、そこにいたランナーさんの中には「ちゃんと並べよ」と眉根を寄せた方もいらっしゃるかもしれません。
けど、
フルのレースで前の人が詰まったら、その後ろに行儀よく並んで止まりますか?少しでも隙間を見つけてパスして自分のペースで走りませんか?
富士登山競走も単なる「登山」ではないので、走れる道があるのなら、そしてそれがコースであるなら、なんの遠慮もなく走り抜けていいんじゃないかと思います。(実際mieちゃまはコースアウトしているわけでも横入りしているわけでもない)
わたしも足がしっかりしていたら、後に続いていたかもしれません。ただ、今回はその脚力、走力、図太さしぶとさがなかった。これが五合目関門を見事突破したmieちゃまとの大きな違いです。(1時間11分台で馬返しを通過して五合目関門突破したのはすごいことなんですよ!!)
そんな逞しいスラム街のご婦人の後ろ姿を見送ったわたし。
ただ、焦る気持ちはありませんでした。このときは、このまま無事に足がもって五合目にたどりつけるのかということだけが心配で。こんな山ん中で毒霧吹いてもんどり打ってても誰も助けてはくれないなと。
なので、気づいてなかったのですよ。
必死でたどり着いた二合五勺の給水所。
ここではコップ二杯だけ受け取り、一杯は手に掛け、もう一杯をフラスクに入れて補給しようとしたところ、
あれ
ソフトフラスクどこいった?(´・_・`)
いや、確かに馬返しまではあったはず。そして、まだ中に残っていたはず。だからここでも二杯だけ受け取り、さっさと移動したのになんでねーの⁈
と、考えるとここまでまだ500mlのフラスク(の中身)が残っていたという時点で、全然給水足りてないですよね。
すべてのオフィシャルをスルーして、手持ちがあることだけに安堵して、結局飲むタイミングを自分で図れず、最後に欲したときにはおっことしているなど。
こっから五合目までどうすんだッ!!(しらんがな)
こんなことなら二合五勺で、あびるほど飲んでおくべきだった、と思ったところで後の祭り。もう、塩タブレットをそのまま齧り、芍薬甘草湯はそのまま唾で流し込み(塩辛くまた苦かったことはいうまでもない)
あちこち痙攣する足をぶすぶすと竹串で刺しながら(これは攣りそうになる幹部をぶすぶす刺すと痙攣が収まるおまじない)
竹串↓(足攣り対策グッズいつも一番取り出しやすいところに入れてある)
そしてこれはやりすぎの悪い見本w
必死で進むこと数キロ。
ようやく四合目の山小屋(跡)まで来ると応援ランナーさんが数人。そしてその方々が大声で言うことには、
「まだ間に合うよー!!こっからが大事ーーー!!」
「ここから諦めなければ間に合うからーー!!」
ぇ!!
間に合うの??!!
あきらめなければ??
ここで、芍薬甘草湯がきていきたか火事場のバカ力か、急に息を吹き返しましてね。最後の岩場をゴボウ抜き(個人の体感です)。
これまでのたらたら歩きからラップを3分近く縮め、「諦めなければ間に合う」のであれば、あたしゃ諦めるわきゃいかねー!と
舗装路に飛び出し林道もざくざく、実際はたいした斜度でもないのに15度くらいに感じる最後の道路をバカみたいに走って
必死で走って
走って走って
見えてきた青いマット、そしてその横の時計。
「9時20分なにがし」←
…
くじ、にじゅぷん?
に、にじゅっぷん??
ぜんぜん間に合ってねーじゃねーかーーー!!!
(9時15分が関門ですw)
最後の最後まで時計を見ずに(理由は見ると焦って足攣りそうだからw)、本気で←「間に合ってる」と思っていたじぶん。
惜しくもなく
かすりもせず
笑っちゃうくらいのタイムオーバー
それでも、最後の最後まで全力で駆け抜けた。
青いマットのその先のてっぺんを追いかけた。
そんなじぶんを
そんなじかんを
笑いたければ笑うがいい(居直り)
(つづく)