たまには仕事の話 | みやみの『住めばmiyako』

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いつか沖縄で開業する日を夢見て、仕事に遊びに全力疾走中♪

人には「鬼門」というものがあります。


わたしにとっての鬼門は「相模原」。そんな決め付け、相模原住民にとってはいい迷惑かと思いますが(いや、わたしに決め付けられても何てこと無いか)、この相模原。どーも、わたしとは仕事の相性が宜しくない。


大揉めに揉めた相続登記。相続人の一人が相模原に住んでらっしゃったので、最終的にご捺印をいただくまで、それはそれは足繁くこちらに通いました。あるときは、改札脇のドトールで。あるときは、駅ビル内にあるサイゼリヤで。時には数時間、相続人間のいざこざを、延々と聞かされたこともあります。


最近では、売主さん買主さん、その諸事情が、「これ、一つでもあったら登記面倒だよね~」というものが、てんこ盛りの売買登記で、これまた泣きながら、相模原の官公庁街を駆け回った記憶があります。


そんなこんなの、相模原。


今回も、その管轄内にあるマンションの売買登記。初めてのケースとなる、外国籍の外国在住の売主さんの所有権移転、そしてその前提となる住所変更の登記のご依頼を頂戴いたしました。


今回、何が面倒かというと、「外国」にいる「外国籍の方」という点。


これが「日本」にいる「外国籍の方」なら、簡単なんです。日本の官公庁で出る書面(印鑑証明書や住民票)が全てきちんと発行されるので。


で、「外国」にいる「日本人」の方でも、話は早い。その「外国」の日本領事館に行って、在留証明やサイン証明など、住民票および印鑑証明書に変わるものが取れるので。そして、もちろん、日本に居たときの住民票(除票)も発行されるわけで。


しかしながら、今回のケース。「外国」にいる「外国籍の方」。


そして、これまた更に面倒になってしまったのが、今年7月で外国人登録法が変わり、外国人登録制度が廃止されてしまったんですね。それまで、日本に住む外国籍の方は、「外国人登録原票」というものが、住民票に代わるものであり、それにより管理をされていたんですね。で、7月以降は、それが廃止となり、外国籍の方も、日本人同様、「住民票」というものが発行されるようになった。で、7月以前の全国の市区町村長で保管されていた登録原票は、全て、法務省に移管されてしまったということで。


で、今回、登記に必要なのが、まさにこの、7月以前、その売主さんが日本に居住していたことの証明となる「外国人登録原票」。それを取得しなきゃいけないわけです。その売主さんが、7月以降に出国をしていたなら、問題なかった、若しくは、こんな近々に外国人登録制度が廃止になっていなかったら、簡単に取得できた。その、二重の不運が重なり、しぶしぶ、法務省へ電話。ホームページを見ても、どーもその取得の方法(開示請求の方法)がわからなかったので。




わたし 「すいません、ちょっとお聞きしたいんですけど。えっと、現在、外国にいる外国籍の方が、原票を取得したいということなんですが・・・・。これって、本人じゃなきゃ、開示請求できないんですかね。(ホームページに「本人のみ」と書いてあることを承知で言ってみる)


法務省 「はい。本人からのみとなります」


わたし 「えっと。もう海外にいるんですけど、それでも、海外から請求して海外に発送してくれるっつーことですか(暗に「任意代理としてわたしが請求できないか」を遠まわしに言ってみる)」


法務省 「そうですね。(きっぱり)」


わたし 「けど、この請求用紙、全部日本語で書かれてますけど、この用紙を使うんですか?」


法務省 「そうですね。(またもやきっぱり)」


わたし 「ああ・・・そうですか・・・。で、この発行手数料、300円の収入印紙と書かれてありますが、アメリカには収入印紙とかって、売ってないと思うんですけど。他の納付方法はありますか」


法務省 「ないです。300円の収入印紙でお願いします」


わたし 「てことは、日本にいる誰かが、向こうに300円の収入印紙を送って、とかいうことになるんですか?(おいおい。)」


法務省 「そうですね。(無駄にきっぱり)」


わたし 「(そうですねじゃねーよ。) でえ、この、添付しろって書いてある本人確認書類は、この場合、何をつけろっつー話ですか?パスポートでいいんですか?」


法務省 「いや、パスポートは住所が載っていないからダメです」


わたし 「他に何かあるんですか?」


法務省 「海外だと、住所まで載っている公的身分証明書ってないと思いますので、開示は難しいと思います。」


わたし 「・・・・・絶望的ですね(←マジで言った)」




なんだか、全く欲しい回答が得られないまま、電話を切りました。てかさー、300円の収入印紙一枚、本人に送れとか、真面目に指示してる時点でおかしいと思わないのかね。ホームページで確認すると「請求から開示まで1ヶ月程度かかる」とか書いてあるけど、海外で今からこんなこと着手して、何ヶ月かかるっつー話だよ。(てか、必要な身分証明書がない時点でアウトだけど)


ということで、本日、この「外国人登録原票」が取得できませんっ。という理由を引っさげて、相模原の法務局へ相談に行きました。ええ。もちろん、言われましたよ。原票を付けろ、と。そして、言いましたよ。「壊滅的に難しい」と。


取り合えず、この点、法務局で審議の上回答します、ということになり、本日は手ぶらで帰ってまいりました。


つーか、相模原、遠いんだよっ。川崎から、登記相談だけしに行くの、大変なんだよっ。


すみません。半分愚痴になってしまいましたが、単なる所有権移転っつーだけでも、その影で司法書士は案外心臓冷や冷やさせて、駆けずり回っているんだよってことと、わたしもたまには真剣に働いているんだよってことをアピール。


たまにね、思い出すもんで。


ああ、これ、事務所のホームページに貼ってある「オフィシャルブログ」だったなと。


けど、仕事の話はつまらないね。同業のために、この回答はまた後日アップいたしますが、明日からはまた通常営業に戻ります。お楽しみに。(通常がもうわかりませんw)