わたしの周りには、尊敬すべき先輩方がいる。
いつぞやの「アイアンマン」というブログでご紹介した、御歳60のアスリート、I先輩。先月、長崎五島で行われた、アイアンマンレースを見事完走してきたということで、そのお祝いの会をすることになった。
と、同時に、同じく、先々週、韓国で行われたアイアンマンレースでこれまた見事な記録で完走され、無事帰国した同業、K先輩も、その会に同席してくださることになった。
梅雨明け最初の金曜日。場所は横浜ベイクォーターにある、「evoldog cafe & BBQ YOKOHAMA」。横浜西口シーバス乗り場の脇にある、オープンスペースのとても素敵なビアガーデン。暮れゆく夕日を眺めながら、各々、死闘を尽くしたレースにつき、熱く語ってくれた。
アイアンマンレースとは。前回も紹介したが、再度ご説明を。というほどのものではないけれど、単純に言えばトライアスンのロングコース。スイム3キロ、バイク180キロ、ラン42.195キロを一気に駆け抜けるという、超人的なレースのこと。こんな、ドMのレースに挑戦している先輩が、身近に二人もいることは、わたしのスポーツ魂を、熱く奮わせる。
御歳60のI先輩は、トライアスロン自体を始めたのは、30代の後半頃だが、アイアンマンレースに出始めたのは、なんと50になってからだという。歳を理由に、逆にスポーツから遠ざかる輩が多い中、スーパーミドルとしか言いようがない。今回も、何カ月もの月日におよぶトレーニングを重ね、見事完走。メダルと完走賞を見せてくれた。
14時間36分。素晴らしい記録だ。
そんなI先輩に刺激され、アイアンマンを始めたK先輩。その理由は全く持って単純だ。
「これ以上のスポーツはないから。」
例えば、フルマラソンを走れる、もちろんそれも、「凄い」と称賛される。トライアスロンをやっていると言う。それも「へええ~」と感心される。ならば、「アイアンマンレースに出ています」と言えば、どうだろう。感心や称賛を超え、これは感嘆に値する。
「フルマラソンはあまり経験がないなあ。たった42キロ走るだけなんやろ」と、言い放ちたいところに居たいというK先輩。やるなら頂点を目指したい性格なんだろう。「だって、人生一回でも完走すれば、アイアンマンレース完走しました、と人に自慢できるやろ。それは一生、自分の勲章になる」。
確かに。K先輩の前では、フル走れますなんて程度のわたしは、ヒヨっ子だ。実際、K先輩は、スイム、バイクをこなした最後の42.195キロ、サブフォーに近いタイムで駆け抜ける。それは、単にわたしがフルだけを全力で走っても、とうてい追いつかないタイムだから恐ろしい。
そんな、K先輩の教訓は、「エントリーすれば完走賞」。
何かとゆーと、先輩曰く、
「どんなマラソン大会においても、棄権する人数なんて、全体の1割にも満たないやろ。自分がその少数派に属すると思うか?そんな稀少な人生歩んできたか?だいだいが『その他大勢』の部類やっただろう。だったら、9割の方に入れんねん。エントリーした時点で、落ちてる完走賞拾いに行くだけや。」
なあるほど。モノは考えよう。エントリーしたからには、人はそれに向かって努力をする。だから、迷うくらいならまずエントリーをしてみろ、努力が必要な境遇に置けば、必然人間やるもんだ、というのがK先輩の持論。
確かに、思い出すのは、予備校時代、カリスマ講師が言っていた言葉。
「人間は、本当に無理だと思っていることには、最初から挑戦しないものです。だから今、あなたたちが、司法書士を目指しているということは、その資質があるからです。」
この言葉を聞いて、ものすごく納得した自分。「確かにあたし、弁護士は目指していないなあ。目指そうとも思っていないなあ」。それは、無意識に、ちゃんと自分が努力さえすれば手の届くものを推し量っていたんだな。
そんな先輩たちの話を聞いて、トライアスロン、ひいてはアイアンマンレースに出たくなったわたし。フルを完走した時とは比べ物にならないくらいの感動があるんだろうと思うだけで、そんな感動を一生に一度でいい、味わってみたいと思う。
などと、言うのは易し、行うは難き。だって、あたし、泳げないんだもん。
だから、まだ、トライアスロンはエントリーできない。今は未だ、本当に無理だと思っているので、挑戦する段階にない。
それでも、いつかはって考えている。エントリーできるところまできたら、完走賞を拾いに、エントリーをしよう。何年かかるかわからないけど、I先輩のように、赤いちゃんちゃんこならぬ、赤いヘルメットを被って(還暦のお祝いにいただいたらしい。素敵なご家族です)、完走できたらいいなと思う。
スポーツ論に花が咲き、ビールを重ね、日が暮れて。最後に記念写真をパチリ。
ちなみに、メダルを手にしている二人は、非アイアンマン。他人のメダルで嬉しそう(笑)
次回は、横浜トライアスロンに出場する先輩たち。ついこの前、たいそうなレースを完走してきたというのに、すでに次の目標に向かってトレーニングを開始している。暑いだ、なんだとクダ巻いてる場合じゃないね、あたし。
夢は大きく、アイアンマン。うーん。その道のりは・・・かなり遠い。