本州の温かい地域から札幌に引っ越してからアトピー性皮膚炎が再発した5歳、S君の例です。
生後4ヵ月でアトピー性皮膚炎の診断を受けたものの、お母さんの食事療法の研究や、自然素材の保湿液などで2歳頃には皮膚炎がかなり良くなっていたお子さんですが、5歳で札幌に引っ越してきて、最初の冬の寒さにさらされてから、急激に皮膚炎が再発したとの事で、当院を初診されました。1年弱の通院でほぼ治癒に至ったお子さんです。
当院の検査で小麦アレルギー、グルテンアレルギー他、多発性の食物アレルギーが確認され、軽度の化学物質過敏症と推定されるお子さんでしたが、お母さんが、食事を和食に限定して、食事から体に入る(白砂糖を含む)薬のたぐいを出来るだけ排除して下さったおかげで、順調に回復することが出来ました。
S君に関しては、カンジダ菌の腸内増生が目立ったため、お母さんに「カンジダをきちんと減らす方法」を理解して頂いて、実践して頂きました。S君本人も痒みで眠れない辛さを克服したいと希望して、味噌汁を飲む、ビオチン散を含む整腸剤を飲む、下剤を飲む事などに積極的に取り組んでくれました。(「カンジダをきちんと減らす方法」の資料は、文末に載せました。ぜひご一読下さい。)
クリニック光のいずみ
院長 石川真樹夫
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【治療経過】
①初診時の採血検査でやや強いグルテンアレルギーが確認され、食材としては、小麦アレルギーの他に、大豆、エビ、カニ、ミルク、卵白、ピーナッツ、豚肉、お米のアレルギーが確認されました。また、カンジダ菌の反応が異常に高く、腸管カンジダ症を疑い、白砂糖を含む食材を徹底して避けるように指導。全身性の皮膚炎でもあり、玄米では、回復反応で皮膚炎が増悪すると推定されたため、主食を「ゆきひかり」の白米にしてもらい、大豆製品は2年醸造または3年醸造の味噌汁と納豆に限定するように指導。1日2回から3回、レメディクリーム塗布を開始。
②2ヶ月目。小麦を中心とした上記のアレルギー食材の除去と、レメディクリーム塗布で痒みは半減し、首と前胸部に目立った掻き壊しも半減したが、日により痒みの増悪ある事と、時に便秘あるとの報告あり。バッチフラワーレメディ内服と、ビオチン療法を開始。多発性食物アレルギーもあり、小学校の給食を食べている状態では改善不良と思われ、お母さんと相談して、主食を「ゆきひかり」にしたお弁当を持って学校に行くこととなった。(この経過の中で、「ゆきひかり」を白米から7分づきにした際に、頚部の皮膚炎が増悪したため、お弁当の「ゆきひかり」も自宅の「ゆきひかり」も白米にして下さいとお願いし、皮膚炎徐々に改善。)
③3ヵ月目。時に痒くて寝付けない事があるとのお母さんの報告あり。眠前に安全性の高い、抗ヒスタミン剤を1回だけ服用して頂く事として、寝ながらの掻き壊しを抑制。
④4ヶ月目。ビオチン療法でほぼ毎日排便あるものの、時に出ない日もあるとの事で、処方薬として、酸化マグネシウムを夕食後に追加。数週間の下剤使用で、以前より確実に便通が保たれるようになり、皮膚炎さらに改善。寝る前の抗ヒスタミン剤服用が不要となりました。
⑤6ヶ月目。便通と皮膚状態の改善良好であること確認の上、ビオチン療法のビオチン量を増量。家での調理に味醂を使用していた事が確認されたため、味醂の使用を止めてもらい、当院で作成した「カンジダをきちんと減らす方法」を資料としてお渡しして説明。(このブログの最後に内容を載せてあります)大根おろしの活用、リンゴ酢の活用を指導。
⑥7ヵ月以降は、バッチフラワーレメディ内服、レメディクリーム塗布、ビオチン療法、「ゆきひかり」を7分づきから5分づきまで、玄米に近づける事。味噌汁を継続することで、皮膚炎は徐々に確実に改善し、通院9ヶ月目には、両肘と両膝裏の皮膚炎以外ほぼ目立たなくなり、便通も5分づき米と味噌汁できちんと保たれるようになり、約1年で通院治療終了となった。
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皮膚炎の経過:顔面。
初診時と2ヵ月後
5ヵ月後と7ヵ月後
8ヵ月後と10ヵ月後
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皮膚炎の経過:頚部と肩、胸腹部。
初診時と4ヵ月後
7ヵ月後
8ヵ月後と10ヵ月後
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皮膚炎の経過:背部。
初診時と5ヵ月後
7ヵ月後と9ヵ月後
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皮膚炎の経過:右上腕。
初診時と4ヵ月後
8ヵ月後と9ヵ月後
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皮膚炎の経過:左上腕。
初診時と4ヵ月後
8ヵ月後と9ヵ月後
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皮膚炎の経過:下肢、膝裏など。
初診時
9ヵ月後
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付録:「カンジダをきちんと減らす方法」
( これは、不安・緊張・痒み・痛み・悲しみ、発達障害を改善する具体的な方法であり、自己免疫力を高めてガンを予防する方法です。)
・バッチフラワーレメディを適切に継続使用すること。
・白砂糖を避けて、スイーツ全般を控えめにする。マヌカハニーMGO400~500以上のものを活用する。
・飲んで見て、体調、お腹の調子、気持ちが落ち着くと感じる人は、朝と夜10分から15分沸騰させたお湯を50℃まで自然にさまして、1日2杯飲む。これにより、胃腸粘膜が活性化され、消化液の分泌も安定してリーキーガット症候群が改善します。
・梅醤番茶を1日1杯から2杯程度飲むだけでも多くの人で便通が改善し、カンジダを減らす事が出来ます。
・毎日大根おろしを小鉢1杯食べるだけでカンジダは相当減ります。
・リンゴ酢を活用する。リンゴ酢はどのように摂っても腸内細菌のバランスを改善するのに役立ちます。(お勧めはBraggオーガニックアップルサイダービネガーです。)
・うどん、そうめん以外の小麦製の主食を徹底して避ける(特に山崎製パンの菓子パン 。うどん、そうめんでも、加工デンプンが入っているものは食べないで下さい。加工デンプンは添加物です。)
・バター以外の乳製品をすべて除く。(つまり「パンと牛乳」は絶対的にさける生活)
・パン、ピザ、パスタ、クッキー、ケーキなどの、いつ製粉されたかわからない小麦粉で作られたものは極力控えめにする。← 酸化した、命のない食べ物を避けるという事。
・ナス科の野菜を極力避ける。← アルカロイド成分が中枢神経の働きを乱します。 (ナス、トマト、ジャガイモ、パプリカ、ピーマン、唐辛子、ほうずき、など)
・アルコールを減らす。お酒は週に1回から最大2回以下、可能なら、美味しいと感じるきちんと作られたお酒にする。蒸留酒なら水割り1回1.5杯程度まで、日本酒なら1合までにする。
・白飯の大食いをしない。
人によっては白米少々でも五分づき米でもカンジダは増えます。
【白米はカンジダ菌の餌になります!!】
という事で、以下の太文字の工夫が役立ちます。
・できる限り主食を「ゆきひかり」の玄米に限定する。
・可能なら1日1食を抜いて2食以下の生活にする。(石原結實式半日断食など)
・ビオチン療法をしっかり行う。(ミカンなどの柑橘類はビオチンを増やします)
・可能なら飲尿療法を行う。(微量飲尿からが良いでしょう)
・塩を十分摂る。
(食卓塩NaClでなく、岩塩、海の塩の活用)、精製塩は摂らない。※味噌汁なら毎日2杯から3杯が目標で、これが出来れば塩は十分です。ただし、味噌は2年醸造、3年醸造の本格的醸造味噌にする。
・経済的に可能であれば、(株)蜂の宝本舗のプロポリスカプセルなどを併用する。(ガンでなければ、1日3カプセルは不要で、1日1カプセルから2カプセル程度で十分効果を得られます。)
・サッカロマイセス・ブラウディのサプリメントを毎日一定量、最低3ヶ月から6ヶ月継続して服用する。← 詳細はサリーカーク著「発達障害は栄養で良くなる」日本語訳378p参照。(毎日1パック以上のきちんと作られた美味しい納豆を1パック食べることが出来る人は、その生活習慣を継続するだけでも長い目で見れば同様の効果を期待出来ます。)
・睡眠不足と浅い眠りに注意して、十分な睡眠をとる。← 時間にして7時間以上臥床して過ごす事が目標です。すやすや眠れなくても臥床時間が長ければ大丈夫です。( 寝る前の入浴や、リラックス出来る少量の寝酒も良い。← 皮膚炎があっても飲めるお酒もあります。)
・食物繊維をたくさん、たくさん食べる。(理想は葉物なら1日に丼3杯)
クレソン、セロリ、レタス、キャベツの千切りなど特にお勧め。生で食べることが手間として大変な人は、酢キャベツを作って保存しておいて、毎日食べましょう。レタスを毎日一玉食べる。大根おろしを毎日食べる等。(季節ごとの野菜を選んで、「人参、蓮根、大根、牛蒡」、「ワカメ、昆布、ヒジキ、もずく」、「山芋、里芋、サツマイモ、大和芋」など煮物や味噌汁で摂れる、野菜・海草・芋類は日本人には最善の繊維源です。)
・天日干しの海苔(ex. 成清海苔店の海苔)や「海の七草」などの海草を毎日摂る。
・可能な人は毎日有機生姜の粉末を(必ず加熱して)摂る。加熱してこそ薬効があります。(毎日小さじ2杯から3杯の有機生姜粉末を味噌汁に入れて飲むのが良いでしょう。)
・極力歩く。歩くだけで、腸内カンジダ菌を減らすことが出来るだけでなく、病気の7割から8割は良くなります。(毎日継続して1時間以上の歩行が必要)
・毎日湯船につかって入浴する。可能なら朝晩入浴してお腹のマッサージを湯船の中でする。余裕があれば、ファイブフラワークリームまたは、ひまし油でお腹全体をマッサージすればなお良い効果が得られます。時間のない方は「臍クリーム」や「臍オイル」をするだけでも役立ちます。
・女性は、ファイブフラワークリームでの「ちつケア」を継続するだけでもお腹のカビも減り、子宮頚癌の改善や再発予防にもなります。